──今、注目しているテクノロジーはありますか?

チャン氏:ハードウェア面では3D NANDに代表されるチップの進化に注目している。ハイパフォーマンスでスケーラブルな製品を提供する場合、チップの進化は製品になくてはならないものだ。

ソフトウェア面では、コンテナ技術に注目している。VMwareやMicrosoft、RedhatなどもHypervisorレベルでDockerコンテナ技術への対応をはじめている。VASとコンテナの組み合わせは、業界に大きなインパクトを与えるだろう。VAS上でコンテナをサポートすることは大きなアドバンテージにもなる。

また、ストレージの管理ソフトという点では、アプリケーションやストレージに関連するデータ分析技術に注目している。たとえば、Apache SparkやElasticsearchなどだ。

──ユーザーからの反応、反響を教えて下さい。

チャン氏:非常にポジティブな声ばかりだ。大きな顧客はTintriのストレージで2PBの領域で仮想マシンワークロードを走らせている。顧客満足度調査でも95%以上の評価をいただいている。あるEDAカンパニーは、さまざまな仮想化製品を使っているが、そうした混在環境のなかでのTintriのワークロードを見分ける能力を非常に高く評価している。

──ユーザーから得られたフィードバックはどのように製品に生かされるのですか?

チャン氏:フィードバックは、3つの基準で評価され、製品に取り入れるかを選別している。3つの基準とは、顧客の要望の強さ、技術トレンドにマッチしているか、競争力があるかどうかだ。プロダクト、エンジニアリング、マーケティングなどの責任者が集まり、検討を重ねる。製品への反映は3年計画で進める。最初の1年はテクノロジーの実装が中心で、残りの2年は改善が中心だ。

──競合として意識しているベンダーはありますか?

チャン氏:競合はいない。VASは市場でもユニークなソリューションだ。オールフラッシュという点では、Nutanix、Nimble Storage、Pure Storageが競合と見られやすいが、VASという点では実はまったく競合していない。では、導入時に実際にコンペになることが多いのはどこかと言われると、EMC、NetApp、HPの3社だ。見方を変えると市場を構成するストレージベンダー全員が競合とも言える。

──既存のストレージに対して、ユーザーはどんな不満を持っているのですか?

チャン氏:大きく、パフォーマンス、コスト、シンプリシティの3つがよくあるペインポイントだ。パフォーマンスが求められる部分ではオールフラッシュを勧めるベンダーが多い。するとコストが高くついてしまう。コスト削減しながら性能を高められないかという顧客がTintriを採用している。

運用コストも大きな課題だ。300TBをストレージを管理するのに月に1人エンジニアが必要だと言われる。Tintriは、ストレージ管理の手間を削減し、シンプルに管理できるようにする。実際、2PBを利用しているユーザー企業はストレージ管理に1週間で4時間しかかかっていない。

──日本市場の展開について教えて下さい。

チャン氏:OEMパートナーの富士通や販売代理店など、非常に強力なパートナーがいることがポイントだ。日本はわれわれにとっても重要な市場だ。パートナーとともにソリューション提供により一層力を入れていく。