ASUSTeK Computerは5月30日、COMPUTEX TAIPEIの開幕を前に毎年恒例のプレスイベントを開催、新製品の発表を行った。スマートフォンやノートPCなど、様々なアイテムを紹介していく中で、最も大きな歓声があがったのは同社初となるロボット「Zenbo」を披露した瞬間。前方の記者が総立ちになり、ステージが見えなくなってしまったほどだ。
そのほか今回発表されたのは、スマートフォンの「ZenFone 3」シリーズ、ノートPCの「ZenBook 3」、2in1 PCの「Transformer 3」シリーズなど。本レポートでは主にロボットとPC関連の話題について紹介したい。なお、日本での発売時期や価格などはすべて未定となっている。
気になるZenboの価格は……
まずは冒頭で述べた「Zenbo」から。スペックを含めた詳細についてはまだ明らかになっていないのだが、デモを見た限りでは、車輪で自律的に移動できて、音声で人間とやりとりするコミュニケーションロボットになるようだ。顔認識機能で利用者を覚えたり、頭部ディスプレイで表情を表現することも可能だ。
<動画>デモの様子。ただし、自律的な動作なのか、プログラムによる動作なのかは、これだけでは分からない(おそらく後者) |
こういったロボット製品は、日本ではすでに、ソフトバンクの「Pepper」、デアゴスティーニの「Robi」、富士ソフトの「Palmi」、シャープの「RoBoHoN」など、さまざまな種類が登場している。Zenboを見ても、機能的に特に驚くようなことは無かったのだが、注目したいのは599ドルという価格だ。これはかなり安い。
Zenboに手足は無いし、可動部は車輪と首くらい。機構的にシンプルなこともあり、量産すればこのくらいで実現できるということなのだろうが、同社のJonney Shih会長がこの価格を発表したとき、プレス席からは大きな歓声が沸き上がった。「思ったより安い」と感じた記者が多かったのだろう。
プレゼンでは、高齢者の見守り、子供の遊び相手、家電のコントロール、スケジュールの管理などの使い方が紹介されたが、このあたりはアプリの作り方でどうにでもなる。どんな魅力的なアプリを用意して、Zenboならではの価値を提供できるか。今後は、そのあたりが普及のカギになりそうだ。
過去最薄・最軽量の新型ZenBook
「ZenBook 3」は、同社ノートPCのフラグシップモデル。今回、こだわったのは薄さと軽さと性能の高さだ。本体の厚さは11.9mmで、重さは910g。CPUはCore i7に対応し、PCI Express x4接続のSSDの搭載が可能だ。競合としては「MacBook」「MacBook Air」を意識しているようで、それよりも薄型軽量・高性能であることがアピールされていた。
この薄さを実現するために、厚さわずか3mmの薄型CPUクーラーを開発。本体がこれほどの薄さになると耐久性が気になるところだが、航空宇宙グレードのアルミ合金を採用したことで、通常のアルミ合金より強度は50%アップしているそうだ。また液晶画面のカバーには、強度が高い「Gorilla Glass 4」を採用。強度を保ちつつ、0.4mmまで薄型化した。
カラーは、Royal Blue、Rose Gold、Quartz Greyの3種類を用意。価格は、Core i7/16GBメモリ/1TB SSDが1,999ドル、Core i7/16GBメモリ/512GB SSDが1,499ドル、Core i5/4GBメモリ/256GB SSDが999ドルとなっている。
また、Shih会長のプレゼンではあまり触れられなかったが、展示スペースには、スマートフォン装着型のVRゴーグルも置かれていた。説明員によると、対応スマートフォンのサイズは5.7インチまで。素材やデザインでプレミアム感を出し、他社製品との差別化を図りたいそうだ。こちらは今年後半の発売を予定している。