4月より土曜朝のTBS系報道番組『あさチャン!サタデー』(毎週土曜5:30~7:00)でメインキャスターに就任した同局の林みなほアナウンサー(26)のインタビュー第3弾。入社5年目に突入した林アナは、3年目まではテレビの仕事がほとんどなく苦しい時期が長かったという。また、世間のイメージとのギャップに苦悩することも。4年目からようやく「アナウンサーです」と堂々と名乗れるようになったという林アナに、悩み続けた新人時代の話や、アナウンサーとしての目標などを聞いた。
――5年目にして報道番組のメインキャスターという新たな挑戦をされていますが、ご自身としては順調にステップアップしているなという感覚なのでしょうか?
うーん、順調とまでは言えませんね…そもそも、私は、TBSのアナウンサーの中で一番アナウンサーらしくないアナウンサーだと自負しているんです!(笑) こう見えてネガティブ思考で自分に自信がなくて。特に新人時代は"らしくない"ことを引け目に感じて引っ込み思案になっていました。でも、人と違うことは個性なんだと受け入れ始めてから、少し楽になりました。
仕事のジャンルも、滝行や大食いみたいな体を張る役が多くて、最初は戸惑いつつ仕事をしていた時期もありました。でも、今思うとそれは、私の中のポテンシャルを引き出してくれていたんだと。人と違うことを恐れすぎていたんですよね。勝手に思い描いてたアナウンサー像にとらわれ過ぎていたなと。他の人と違うことこそが個性なんだと思えてからは、「感謝して全力投球しよう!!」と考えるようになりました。
――体当たり取材の印象は確かにありますが、喜んでやられているのかなと思っていました。
もちろん、仕事の一つ一つを全力で頑張ってますが、前に出たがりとか目立ちたがりということよりは、視聴者に楽しんでもらいたい、スタッフさんに喜んでもらいたい、というサービス精神の方が自分の中では強いですかね(笑)
――なるほど、そうだったんですね。"ネガティブ思考"というのも意外でした。
もともとはすごいネガティブでコンプレックスばっかりです。「私なんか」というのが口癖ですから。周りと比べては自分が劣っていると感じて苦しんでいました。でも、この1、2年くらいかな。徐々に徐々に変わってきました。やっと本当の意味でアナウンサーとしての自覚や自信をもてたというか。
――3年間くらい自信がなかなか持てなかったんですね。
そうですね。とにかく新人の頃は経験不足が不安で。「どんな番組につきたいの?」と聞かれても、「私なんかが『あの番組がやりたい』とか図々しく言っちゃいけない」と思って「私は大丈夫です」と言ってました。でも、これは、アナウンサーとして入ってきたのに何なんだと(笑)。やる気のない子だと思われてしまいましたね。当時の私を知っている『はやドキ!』のスタッフさんから「別人かと思ったよ」って言われて知りました。秘めたる情熱はあっただけに悔しいですね、出遅れた感は否めないです(笑)
――そういった最近の変化というのは、何か具体的なきっかけがあったんですか?
仕事場でいろんな方からアドバイスをしてもらったことが大きかったと思います。特に印象に残っているのは、2年ほど前にTBSラジオ『ジェーン・スー相談は踊る』に出たときに、スーさんから「自分を過小評価して得なことは一つもない。自分からできないと言ってしまうと、周りからもできない人だと思われる」と言われて。あー、私はこうやって自らネガティブキャンペーンを張ってたのかと気づけたんです。それまでは「過小評価」は「謙虚さ」で、悪いことではないと思ってたんですよね。
――なるほど。アドバイスが大きかったんですね。
はい。「人と違うことは個性」というのも信頼できるスタッフさんからもらった言葉でした。あとはやっぱり、経験値がついてきたことが大きかったです。1年目からラジオをたくさんやらせてもらっていたんですが、テレビのほうは4年目の春までレギュラー出演が少なくて。なので生放送はカメラの前に立った途端怖くなって、極度の緊張で汗びっしょりでした。毎回ピアノの発表会みたいな気持ちでしたね。最近になってようやくテレビの仕事も増えて、やっと自信を持ってアナウンサーと名乗れるようになりました(笑)