9.7インチiPad Proを購入して約1カ月。初めてセルラー版を使ってみて、やっぱり便利だなぁなんて思っていましたが、そういえばこれ、「Apple SIM」内蔵なんですよね。海外でもOKじゃないですか。せっかくなので試してみようと海外旅行に持って行ったところ、想像以上に便利でしたよ!

Apple SIMって?

Apple SIMは世界90以上の国と地域で、提携する通信事業者のモバイルデータプランを使用できるSIMカード。渡航先でSIMを買わなくても、これ1枚で現地の通信に対応できるというものです。

昨年11月に日本でも購入できるようになりましたが、9.7インチiPad Pro Wi-Fi+セルラー版はそれが最初から内蔵されています。つまり、国内ではスロットに差し込んだ日本の通信事業者の回線を使い、海外に行った時には内蔵のApple SIMで現地の通信を契約して使えるという、二刀流iPadだったわけです。

国内通信事業者のSIMとApple SIMの二刀流。Wi-Fiも入れたら三刀流ですかね

到着してからその場で購入

今回の目的地・デンマークに到着

では実際の購入ステップに入りましょう。渡航先が違っても手続きそのものは似たようなものなので、ご参考までに。

Apple SIMは先に一定のデータ通信量を購入するプリペイド式。「設定」の「モバイルデータ通信」から、今いるエリアで使用できる通信事業者とプランが自動的に表示される仕組みになっています。

「設定」を開き「モバイルデータ通信→新規プランを追加」の順にタップ

契約可能な通信事業者が表示されます

事業者名をタップするとプランが表示

プランを見比べてみましたが、ここではGigSkyの方が割安でした。ホテルのWi-Fiが薄くて難儀していたので、今回は思い切って3GBプランを購入。これ、iPhone用に準備した海外向けプリペイドSIMのプランより全然割安です。日本語対応なのも安心。

プランを選択するとアカウント作成画面が。「新規登録」をタップすると仮登録のメールが届きます

仮登録のメールからWebサイトを開いて本登録完了

アカウント作成はWebサイトからもできるため、事前に国内で済ませておくことも可能です(GigSkyは多くのエリアに対応するローミング事業者なので、選択肢に出る可能性は高いです)。

再び「設定」から通信事業者を選択し、プラン選択、ログインします

支払い情報を入力し、データを購入

購入が完了すると、自動的に接続先が切り替わります

これで電波があればどこでも通信が可能に! LTEでスイスイつながり、快適でした。さらに、「インターネット共有」(テザリング)も使えるのが大きなポイントです。

テザリングでiPhoneにもシェアできる

インターネット共有は、iPhoneやパソコンなどの機器をiPad経由でネット接続する機能。つまり、購入した3GBのデータ通信量をiPhoneやパソコンからも使えるということです。

インターネット共有の仕組み

「設定」で「インターネット共有」を開き、項目をオンに。接続方法の説明も表示されます。Wi-Fi用のパスワードは変更も可能です

iPhoneから接続する場合、「設定」で「Wi-Fi」を開き、一覧からiPadを選択

これを活用して複数の機器をネット接続したり、数人でシェアして使うことも可能です。Wi-Fiルーターにするには少々大きすぎるのが難点ではありますけどね。

筆者の場合はiPhoneのために用意した海外用プリペイドSIMのチャージを思った以上に消費していたので、なるべくiPad経由で接続して節約。余裕があったおかげでFaceTimeのビデオ通話も気兼ねなく使うことができました。

使用の際の注意点

ということで、日本にいる時と同じように不自由なくモバイル通信を使用することができました。最後に、つまづいたポイントと注意点がいくつかありましたので挙げておきます。

【ポイント1】アカウント作成・プラン購入には通信が必要です。空港やホテルなど、Wi-Fiのある場所で行いましょう

【ポイント2】「新規プランを追加」をタップしても通信事業者名が出てこない場合(この画面)は、下記の手順で「構成プロファイル」を削除します

「設定」を開き、「一般→プロファイル」の順にタップ。インストールされている「構成プロファイル」を選択し、「プロファイルを削除」をタップします。帰国したら再インストールをお忘れなく

【ポイント3】購入したデータ通信量を使い残した場合、日本に帰ってからは使えません。筆者もだいぶ残ってしまいましたが、下のプランで買い増しするより割安だったのでヨシとします……

なお、Apple SIMは単体で購入し対応するiPad端末に挿入して使うことも可能です。対応端末と利用可能地域について、詳しくはこちらでご確認ください。