内閣府は5月23日、熊本地震による住宅や道路などの被害額が約2兆4,000億円~4兆6,000億円にのぼるという試算を公表した。東日本大震災(2011年)時の推計方法を踏まえ、阪神・淡路大震災(1995年)や新潟県中越地震(2004年)の被害状況(損壊率)を参照しつつ、暫定的に試算したもの。

「熊本地震」過去の地震被害における被害推計との比較

地域別に見ると、熊本県が約1兆8,000億円~3兆8,000億円、大分県が約5,000億円~8,000億円。内訳は建築物等(住宅、民間企業設備)が約1兆6,000億円~3兆1,000億円、社会インフラ(道路、港湾、空港等)が約4,000億円~7,000億円、電気・ガス・上下水道が約1,000億円、他の社会資本(都市公園等)が約4,000億円~7,000億円。

なお、建築物や社会インフラなどは年々増加しているため単純に比較できないが、東日本大震災の被害額は16兆9,000億円、新潟県中越地震は1兆7,000億円~3兆円、阪神・淡路大震災は9兆6,000億円~9兆9,000億円と推計されている。

発表の中で内閣府政策統括官(経済財政分析担当)は、「住民生活のみならず、生産や雇用など地域経済、さらにはサプライチェーンや内外観光等を通じて日本経済にも影響を及ぼしており、先行きに留意する必要がある」とコメントしている。