ワークスタイル変革、医療・健康、食・農業、くらし、社会インフラなど - 様々なジャンルですでに導入されている技術から、これから登場するものまで注目の技術をピックアップ!
ここからは、富士通フォーラム2016会場より「ワークスタイル変革」「医療・健康」「食・農業」「くらし」「スポーツ」「社会インフラ」「クルマ・交通・都市」ジャンルより「これは!」と感じさせてくれたブースをピックアップしていこう。
食・農クラウドAkisaiを活用した植物工場事業で「キレイヤサイ」シリーズに続く新たな“農”への取り組み、「共創によるスマートアグリカルチャー事業創造」をまずはピックアップ。この取り組みでは、富士通、オリックス、増田採種場の3社によって、農業を基点とした地方創生実現に向け静岡県磐田市に「株式会社スマートアグリカルチャー磐田」を4月1日に設立、本イベントにはスマートアグリカルチャー磐田で収穫された「食べるケール」がディスプレイされていた。
この取り組みで面白いと感じたのは、従来までの植物工場では、レタスやほうれん草といったいわゆる“葉物”の生産が主だったが、スマートアグリカルチャー磐田ではパプリカやトマトといった野菜の効率的な収穫が可能だという。また、種苗・生産・加工・出荷・販売といった「食・農全体のバリューチェーン」が構築されている上に、地域創生を目指す行政も手を組んでいる取り組みなだけに「農を基本とした地域創生」を目指す地方自治体にプラスの影響を与える存在となるだろう。
続いては、増加の一途を辿る独居高齢者に対して異常の早期発見に寄与する「高齢者が安心・安全に暮らすための生活見守り」ブースに注目した。ブースでは、集合住宅に住まう高齢者の見守りをデモンストレーションしており、生活音などの音響や人感センサー等を備えたリモートケアベースに加え、バンドで身につけるタイプの活動量計などと組み合わせ、高齢者を見守ってくれるというもの。病院や介護施設でのサービス提供はもちろん、地方自治体における独居高齢者の見守りにも展開していければ、とは説明員の言葉だが、今後よりいっそうの高齢化社会に突入する日本の住宅シーンに新たな価値として注目を集めるアイテム、サービスになるのではないだろうか。
次に紹介するのは、すでに実用化されているサービス事例のひとつとしてデモンストレーションされていたのが「観光データがつなぐ地域のデータ連係エコシステム」と題されたブース。地域情報を観光クラウドとして活用し、自分ならではの旅づくり、地域の新たな魅力を発見してもらおうというサービスだ。地域情報を自治体や観光協会等のオープンデータを活用する以外に、地域住民・地域事業者からの旬な情報も活用することで、観光ガイド等には記載の無い鮮度の高い、あるいは知る人ぞ知るスポットを巡ることが可能になる。また、Webやモバイルとの連携により、周遊計画の立案や訪れた観光地でのナビゲーションまで、一気通貫した観光ソリューションとなっているのが面白い。
富士通が魅せる「テクノロジーが築く新たな未来」。来年はどんな未来をみせてくれるだろうか
さて、全14カテゴリー・73ブースの展示よりピックアップして紹介してきた「富士通フォーラム2016」。Human Centric AI ZinraiやAI技術の根幹を支えるHPC(High Performance Computing)、それらの恩恵を受け生活をより豊かにしてくれるサービスを提案してくれた今回のイベント。富士通のものづくりに息づく確かな技術力と発想力で、来年2017年の富士通フォーラムではどのような未来を見せてくれるのか今から興味は尽きない。