HPC(High Performance Computing)とAIが魅せる最先端テクノロジー
「最先端テクノロジー」の展示ブースには、スーパーコンピューティングや人工知能など、未来を拓く技術が展示されていた。なかでも、近い将来我々がその恩恵を受けられるであろう技術をピックアップして紹介しよう。
「AI技術を活用したスマート都市監視」と一見身構えてしまうブース名ではあるが、都市の治安や交通量の把握などがリアルタイムに行えるようになるという。具体的には、監視カメラ等の映像を解析する際にAIを用いることで、クルマやバイク、人といったように多様な情報を自動的に抽出。
HPC(High Performance Computing)によって大容量かつ高速に画像処理を行い都市全体の車両や人の動きをリアルタイムで把握することを目指し、現在鋭意開発中とのこと。現時点では録画した映像を元に解析を行っているとのことだが、近い将来、リアルタイムで車両の車種やモデルに色、着衣の色や所持品に性別といった、詳細な認識が可能になることだろう。
また、2016年7月にサービスが開始される予定の「スマートパーキング」のデモンストレーションも見ることができた。こちらは、富士通独自の機械学習ノウハウを適用した画像認識技術により、駐車場の満車/空車を高い精度で検知するというもの。会場ではミニチュアを用いてその精度の確かさを実感することができた。
ものづくりの現場においてもAI技術によって革新をもたらす富士通
日本のお家芸でもあるものづくり。この分野においても富士通は意欲的に革新を生み出そうとしている。ロボット等を用いたもの、ICT技術を駆使してものづくりの現場で働く人々を支援するものなど様々なアプローチが見られたが、今回注目したのは工場全体を「見える化」ならぬ「見せる化」するという「工場全体の最適化」ブースだ。
工場全体の最適化には、昨今注目を集めているIoTの活用によりものづくりの見える化から一歩進んだ「見せる化」を「Intelligent Dashboard」で実現。複数のデータが可視化され互いの関連性からKPIを設定し気づきを与えてくれるというものだ。また「Intelligent Dashboard」で特徴的なのは対話型のAIが存在しており、デモンストレーションでは「今上がっているアラートの要因は?」「担当者は誰?」といったように、AIとの対話によって問題解決の道筋をサポートしていた。
単に工場全体を「見える化」「見せる化」するだけではなく、工場マネジメントの全域において最適化・効率化が図られるという「Intelligent Dashboard」はこれからの製造業のスタンダードになっていくのでは?と感じさせてくれた。