米Googleは5月18日(現地時間)、Google I/O 2016(5月18~20日)の基調講演で、スマートメッセージング・アプリ「Allo」と、シンプルなビデオ通話アプリ「Duo」を発表した。今夏にAndroid用とiOS用が登場する予定だ。どちらも電話番号をベースに、連絡帳に登録している人と会話ができる。
Alloは、機械学習を利用したアシスタントやスマートリプライ、パーソナルアシスタントサービス「Google assistant」、表現豊かなメッセージ作成などを特徴とする。スマートリプライは、状況に応じて賢く返信メッセージ候補を示す機能だ。たとえば、子犬の写真が送られてきた時に「かわいい!」といったよく使われる返信メッセージのほか、写真を分析して「かわいいゴールデンリトリーバーだね」というように犬種を入れた返信メッセージ候補を表示する。また、ユーザーのメッセージ作成を分析し、丁寧な言葉使いの人には丁寧な、ネットスラングを使う人には「lol」など、ユーザーが使いそうな表現を入力候補として示す。
送られてきた写真を分析し、「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」という犬種を入れた返信メッセージ候補を表示 |
Google assistantにレストラン情報を収集してもらいながら、友だちと今夜のレストラン選び |
Google assistantはチャットボットのように機能し、Google assistantと一対一、またはGoogle assistantを交えたグループチャットのようにメッセージをやり取りできる。たとえば、友だちとディナーの場所を決めている時に「近くのイタリアンにしょうか」と述べたら、Google assistantが近所のイタリアンレストランの情報カードを表示する。その一つを選び、Allo内からGoogle assistantにOpenTableを使って予約してもらうことも可能だ。Google assistantは文脈やユーザーのデータに基づいて賢く対応し、「僕のチームはどうだった?」というように聞くだけでも、ユーザーが応援しているサッカーチームの試合結果を表示する。
メッセージは豊富な絵文字やステッカーに加えて、スライダーを動かしてメッセージを拡大し、叫んでいるような感じを表現できる。また写真に手描きするインク機能も用意されている。
Duoは、1対1のビデオ通話に機能を絞り込んだAlloのコンパニオン・アプリである。最大720pのHDビデオをサポートし、接続速度に応じて自動的にビデオが最適化され、遅い通信環境でも快適に通話できるように設計されている。Wi-Fiとモバイルデータ通信のシームレスな切り替え、エンドツーエンドの暗号化などをサポートする。
また「Knock Knock」というユニークな機能を備える。これは呼び出し中に発信者のビデオ映像を送る機能で、たとえば久しぶりに会った友達が一緒にいることを見せるなど、発信者が誰かだけではなく、用事の内容も見せて通話を受けるように促せる。アイディア次第で様々なことができる機能だ。