米Appleは5月16日(現地時間)、iTunes 12のアップデート「iTunes 12.4」の提供を開始した。ナビゲーションやライブラリの表示を、より分かりやすく、ユーザーがコントロールしやすいようにユーザーインターフェイス(UI)を改良した。対応環境は、Mac版がOS X 10.8.5以上(Apple MusicはOS X 10.9.5以上)、Windows版がWindows 10/8.1/8/7となっている。
大きな変更はサイドバーの復権だ。従来のUIでは、ごく一部の機能のみでサイドバーが表示されていたが、マイミュージックやマイムービーなど多くの機能でサイドバーがデフォルトで表示される。この変更に伴い、右上に置かれていた表示オプションのドロップダウンメニューがなくなった。これまで右上の表示オプションからは、たとえばミュージックでは「アーティスト」「アルバム」「曲」といった表示方法を切り換えていたが、それらはサイドバー内のライブラリにまとめられている。
iTunes 12でサイドバーが隠されるまでは、iTunesはサイドバーが混雑して使いにくいという問題を抱えていた。新しいUIでは、後述するメディアピッカーとの組み合わせでサイドバーの混雑が避けられている。サイドバーのライブラリの表示項目はユーザーが編集できるようになっており、表示を必要なものだけに絞り込むことでライブラリをすっきりとまとめられる。
従来のサイドバーが表示されないUIでは、曲やビデオをドラッグ&ドロップでプレイリストに追加する方法が分かりにくかったが、マイミュージックやマイムービーでサイドバーが常駐する新しいUIではシンプルにサイドバーのプレイリスト欄に曲をドラッグ&ドロップできる。機能が分かりやすいというのがサイドバーのメリットだ。逆に従来のサイドバーが表示されないシンプルなデザインが好みならば、表示メニューで「サイドバーを隠す」にチェックを入れると、サイドバーが非表示になり、従来と同じプレイリストへの追加方法になる(右上の表示オプションは表示されない)。
ナビゲーションは、左上のメディアピッカーと「戻る」ボタン/「進む」ボタンが見直された。
「ミュージック」「ムービー」「テレビ番組」「Podcast」「App」「着信音」などメディア機能を切り換えるメディアピッカーは、これまでアイコンとドロップダウンメニューの組み合わせだった。よく使う機能はアイコンで表示し、あまり使わない機能はドロップダウンメニューというように分類できたが、ユーザーに整理を強いるUIだった。新デザインは、シンプルにドロップダウンメニューのみになった。アイコンのようにワンクリックで切り換えることはできないが、アイコンとドロップダウンメニューの違いに悩まずに操作できる。
また、従来のUIでは、左上の「戻る」ボタンと「進む」ボタンが使用できる場合(MusicのNew、iTunes Storeなど)と使用できない場合があったが、新しいUIではiTunes全体で「戻る」「進む」で移動できるように統一された。