タグ部品を組み合わせる電子ブロック的ガジェット

5月14日、東京都のお台場エリアにあるソニーの体験型科学館「ソニー・エクスプローラサイエンス」にて、ブロック形状の電子タグ「MESH」の体験会「MESHタッチ&トライ」が開催された。

iPad上で動作しているMESHアプリとMESHタグ。現在は7種類のタグ(写真の下側)が販売されている

ソニーのスタートアッププロジェクトとして開発されたMESHは、Bluetooth LEでスマホと接続するブロック的なMESHタグを使い、スマホ側で動作の流れを描くことで簡単に「デジタルモノ作り」ができるツールだ。現在、Bluetooth LEに対応したiOS 8以降の端末で利用できる。ブロック状のMESHタグは7種類あり、それぞれ異なる機能を持つ。体験会では、7種類のMESHタグすべてを利用できた。

MESHの使い方だが、端末画面のキャンバスにアイコンを配置し、アイコン同士を線で結ぶことで関連付けを行う。たとえば、キャンバス上にボタンとLEDのアイコンを配置して、ボタンからLEDに線を結ぶと、ボタンタグの動作の結果としてLEDタグが関連付けられる。結果、「ボタンタグを押すとLEDタグが光る」といった仕掛けをすぐに作りって動作を確認できるわけだ。

このように、プログラムといっても極めて直観的。アイコンを線でつなぐだけなので、子供でもすぐ使えるようになる。午前中に行われた体験会の様子を見ていたが、小さな子供でもすぐにやり方を理解し、「○○をすると音が鳴る、録音すれば自分の声を効果音にできる」といった仕組みに夢中になっていた。

MESHのタグは、光る「LEDタグ」、押しボタンの「ボタンタグ」、動きを検知する「動きタグ」、汎用入出力の「GPIOタグ」がリリースと同時に用意されている。現在は、人の動きを検知する「人感タグ」、明るさの変化を検知する「明るさタグ」、温度・湿度の変化を検知する「温度・湿度タグ」が加わった。

体験会の各テーブルには機材が並んでいる。クレヨンや色鉛筆は何のため? と思ったら、(追加素材の)画用紙や折り紙に書くかもしれないと用意していたそうだ

追加素材が並ぶテーブル。ここから好きなパーツを持ってきて、MESHタグを組み合わせて工作

作業中の家族。親が手出しをしなくてもスイスイとスケッチを作りっており、子供でもわかりやすいUIとなっている

別のテーブル。グレーに緑の四角が書かれたTシャツを着ているのがインストラクター

作業中。紙コップとスポンジにタグを付けたので、次はふた付きのゴミ箱に何を入れるか考えているようだ

午前中は小学生(低学年)主体だったが、中学生らしき子も参加していた。別の回には年配の方も体験していた

MESHアプリは、右に配置された素材を中央のキャンバスに移動し、素材同士を線でつないで関連付け。入力と出力は一対一でなくてもよく、画面の例だと明るさが変わるか、振動を検知すると音と光の反応が出る

他の要素を追加することも簡単。人を感知をしたら3秒待って動作、さらにスイッチで3つの動作を順番に行わせている

「複数の要素が全部成立したら動作」というAND設計も可能。この例では、音と動きと人感がすべて反応すれば音が鳴る仕組み

最終的に作りってみたのがコチラ。バケツに人感タグと動きタグを取り付けた

ゴミ箱をイメージしてひっくり返ったら警告音を鳴らし、10回人感(ゴミ入れ)を行ったら、ゴミ箱を空にする通知を出す

MESHタグなしでもアプリは利用可能

スマホの機能とMESHタグだけでなく、スマホの機能や他製品、アプリの連携もできる。アプリはバックグラウンド動作がかのうなので、実用的に使えるかもしれない

MESHアプリは、MESHタグ以外にも、スマホが持つ音声入出力、カメラ撮影、通知に対応する。よって、MESHタグを持っていなくてもアプリだけで利用可能だ(チュートリアルもタグなし向けの説明が用意されている)。

さらに外部連携として、Gmailの送受信、Olympus Airの撮影、Philips HueのLED照明とIFTTTにも対応している。

たとえば「ある程度の盛り上がり(音レベル)で自動的にカメラ撮影を行って、IFTTTを使ってSNSに投稿」ということができる。さらにボタンタグを買ってくれば、音レベルではなく、リモートシャッターとして利用できるだろう。

ネックになりそうなのは、タグの価格が6,000円~7,000円程度と少々お高い点だ。気軽に手を出すのはちょっと難しい。iOS端末を持っていれば、まずMESHアプリをダウンロードして、MESHタグなしで試してみるとよいだろう。また、足を運べる機会があれば、今回のようなタッチ&トライやワークショップで実際に触れてみるのがよさそうだ。