バニラエアを含むアジア太平洋地域の大手LCC8社は5月16日、世界最大のLCCアライアンスとなる「バリューアライアンス」を設立したことを発表。アライアンスを通じて、LCC8社は東南アジア・北東アジア・オーストラリア間での利用者メリット向上をはかる。
バリューアライアンスの加盟航空会社は、バニラエア、セブパシフィック航空、チェジュ航空、ノックエア、ノックスクート、スクート、タイガーエア・シンガポール、タイガーエア・オーストラリアの8社。加盟航空会社はアジア太平洋地域の160以上の就航地へ176機を用いて路線ネットワークを提供、世界の3分の1のエリアをカバーしている。また、2015年には17カ所の拠点から4,600万人以上に利用されている。
従来であれば異なる航空会社を乗り継ぐ際、会社毎のウェブサイトにてフライトを検索・予約・決済が必要となるが、バリューアライアンスの利用者は、いずれかの加盟航空会社のウェブサイトを経由して専用のウェブサイトにて出発地・最終目的地を指定するだけで、バリューアライアンスの路線ネットワークの中から乗り継ぎルート・利用便・最適な運賃を選択し、ワンストップで予約・決済できる。そのため、乗り継ぎ予約において直行便予約と変わらぬ快適な操作性を提供できるようになる。
バリューアライアンスのシステムは、エア・ブラック・ボックス社(ABB社)が開発した先進技術を導入する。ABB社はイギリスの航空会社向けクラウドを利用したソフトウェア開発を行う会社で、今回のABB社のシステムはIATA NDC(ニュー・ディストリビューション・ケーパビリティー)公認予定となっている。
このシステムでは、座席指定・追加手荷物・機内食など、付帯サービスも利用便と同時に購入可能。なお、スクート、ノックエア、およびノックスクートは、ABB社の技術を通じてすでに相互に乗り継ぎ旅程や運賃を提供している。他のアライアンス加盟航空会社も、今後数カ月のうちに同サービスを提供開始する予定となっている。
スクートのキャンベル・ウィルソンCEOは、「このパートナーシップを通してお客さまにサービスを提供できる機会に、我々は期待しています。バリューアライアンスの加盟各社は、各マーケットにおいて高い評価を得ており、それぞれの地域におけるLCC業界のリーダー的存在です。各社が共に協力することにより、1回の取引で、最も競争力のある運賃にて、就航地とフライトの幅広い選択肢をお客様に提供することが可能になります」とコメントしている。
また、バニラエアの五島勝也社長は、「バリューアライアンスが導入する技術により、加盟各社が使用している予約システムの違いにとらわれることなく、インターフェイスが可能になります。よって、バニラエアが運航していない日本とその他のアジア太平洋地域間のルートであっても、お客さまは1度の予約・決済で加盟航空会社を利用する乗り継ぎ手配を完了、いわゆる『ワンストップショッピング』ができるようになり、利便性が大きく向上します」とコメントしている。
なおバニラエアは、2020年までに東南アジアも視野に入れた積極的な国際線の路線拡大を展望している。路線拡大に加え、今回のアライアンス加盟による国際線における"レジャー・リゾート旅"のサービス拡大で、選ばれるLCCを目指す。