映画『殿、利息でござる!』の舞台あいさつが14日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、主演の阿部サダヲをはじめ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、千葉雄大、松田龍平、中村義洋監督、原作の磯田道史が出席した。

左から中村義洋監督、松田龍平、千葉雄大、瑛太、阿部サダヲ、妻夫木聡、竹内結子、磯田道史

磯田道史の『無私の日本人』(文春文庫)の一編「穀田屋十三郎」を原作とする本作は、江戸中期の仙台藩吉岡宿を舞台に庶民が年貢に苦しむ街を救うため、穀田屋十三郎(阿部サダヲ)らが千両集めて殿様に貸し付け、利息を取ろうという実話を元にしたストーリー。7日から先行公開された吉岡宿がある宮城県では大ヒットを記録している。

全国公開初日となったこの日は、舞台あいさつが行われ、主演の阿部サダヲをはじめキャスト陣と中村監督、原作の磯田道史が勢揃い。実話を元にした物語に阿部は「最初はこんな話があるのかと信じられませんでした。伝えてこなかった話を我々が伝える矛盾が面白いと思いました」と企画段階での感想を述べながら「今日、映画館に入ってきた時に皆さんの表情が明るくて優しい顔だったので、そういう映画に出られて本当に良かったと思いました」と感慨深げ。

そんな阿部が演じる十三郎の弟を演じた妻夫木は、以前より中村監督の再三によるオファーがあったにも関わらず、本作で念願の中村作品に出演できたと明かしながら、「僕と阿部さんが似てないというのが問題ですよ」と指摘すると、阿部は「それはみんなが分かっていること! お芝居でやっているんだからさ~。でも本当に妻夫木くんのお芝居を見て普通に泣いちゃいました。だから兄弟だったんじゃないかな?」と強引に幕引きして笑いを誘った。

また、十三郎が恋心を抱く居酒屋の未亡人・ときを演じた竹内結子は「中村監督と妻夫木くんのプラトニックラブに衝撃を受けました…」と驚きながらも「男性陣が多かったので、私は脇の機材置き場でずっと座ってました。すごく暑くて苦労しましたが、現場はすごく楽しかったです」と振り返ると、阿部は「スタッフさんたちも男性ばかりなので、綺麗な人が来るとソワソワしてましたよ」と明かしていた。