ANAは5月12日、20016年冬ダイヤ(10月30日~)より、羽田=ニューヨーク/シカゴ線に就航することを発表。また、2017年2月からは成田=メキシコ線を就航し、北米及び中南米へのネットワークの一層の充実を図る。

成田=メキシコ線にはボーイング787-8を導入

羽田=ニューヨーク/シカゴ線の開設は、2月に開催された日本・米国航空当局間協議の結果を踏まえたもの。同協議では、羽田空港日米路線間の発着枠としてANAに対して昼間時間帯と深夜早朝時間帯をそれぞれ1便配分され、合計でANAに4便、JALに2便が割り当てられた。現在、JAL・ANA合わせて昼間時間帯は5便、深夜・早朝時間帯は1便となっている。

同路線は羽田を朝に出発して夜に帰着することにより、現地滞在時間を長く確保できる利便性の高い運航ダイヤを予定。これにより羽田からの米国就航地点は、現在運航中のロサンゼルス・ホノルルに加え4都市に拡大する。北米地域の就航地点も現在運航中のロサンゼルス・バンクーバーに加え4都市へと拡大し、首都圏のみならず日本各地から北米大陸への渡航がより便利になる。

また2017年2月からは、ANAの海外42番目の旅客便就航都市として、ボーイング787-8により、成田空港からメキシコの首都であるメキシコシティへの直行便運航を開始する。今回新たに就航を決定したメキシコは、日本や米国を含む世界45カ国とのFTAを背景に製造・輸出拠点としての魅力を高めており、2010年からの5年間で日本による直接投資額は約2.7倍に(出典: 日本貿易振興機構)、日系企業進出数は約2倍(出典: 外務省)になるなど、自動車産業を中心に日本との経済的な結び付きは年々強まっている。さらに今後はTPPの発効に伴い、日本とメキシコの経済連携はさらに深まることが想定されている。

今回の就航に関して、ANAでは2015年7月に「メキシコシティ営業支店」を開設してマーケットの調査・開拓を実施。同年6月に就航した成田=ヒューストン線においては、ヒューストン以遠でメキシコ国内7都市に容易に乗り継ぎできるコードシェア便を設定するなど、メキシコ就航に向けた準備を進めてきた。今回、ANAが経由地なしで毎日運航する唯一の直行便を開設することにより、日本からメキシコへの渡航がより便利になる。

同計画は関係当局の認可が前提となっており、運航ダイヤや運航機材、就航開始日(メキシコシティ線)等の詳細については、確定後、あらためて発表される。