ゲンナイ製薬はこのほど、「産休・育休に関する実態調査」の結果を発表した。調査は3月23日~31日、過去10年以内に産休を取得したことがある20~49歳の女性を対象にインターネットで行われ、1,000名の有効回答サンプルを集計した。
女性8割超が育休取得も、男性は1割に満たず
育休を取得したか聞いたところ、86.4%が「取得した」と回答。多くの女性が、産休だけでなく育休も取得していることがわかった。しかしながら、パートナーの育休取得率は、わずか7.8%だった。
育休を取得した人(864名)に対し、どのくらいの期間取得したのか尋ねたところ、「1年程度(53.4%)」「1年半程度(13.1%)」「2年程度以上(8.6%)」と約75%が1年程度以上取得している一方で、およそ4人に1人(25.1%)が1年未満であることがわかった。
この結果をパートナーの育休取得状況別で比べてみたところ、パートナーが育休を取得した層は平均で10.6カ月なのに対し、パートナーが育休を取得しなかった層は平均12.4カ月という結果に。パートナーが育休を取得することで、自身の育休期間が短めになる傾向がうかがえた。
産休・育休の申請をためらった人、41.9%
また実際に産休を取得した人の4人に3人が、産休や育休制度に理解があって、なおかつ取得を推進してくれるような上司、いわゆる"イクボス"は「いなかった」と回答した。
産休・育休の申請をためらったかどうか尋ねたところ、41.9%が「ためらった」と回答。その理由として「職場の人に迷惑がかかると思ったから」(23.7%)や、「復帰後、ブランクを埋めるのが大変そうだと思ったから」(12.8%)を挙げた人が多かった。
産休・育休の前例の有無別にみると、前例があった層は、前例がなかった層よりもためらった割合が低く、さらに、職場の人に迷惑がかかると考える割合も低い傾向に。前例があることで、後に続く女性の不安が軽減されることがわかった。
産休・育休が既に終了している人を対象に、職場復帰に関する状況を聞いたところ、「復職し1年以上勤めた・勤められそう」という人は78.2%。
復職した人に対し、復職時の待遇について聞いたところ、「休業前より良い待遇で復職した」は12.0%、「休業前と同じ待遇で復職した」は74.5%、「休業前より悪い待遇で復職した」は13.6%だった。休業明けに、労働条件が悪化した人が1割強みられた。
復職できてよかったことは?
復職できてよかったと思うことを聞いたところ、「給与を得て家計を支えられること」が75.9%で際立って高くなった。次いで「自由に使えるお金ができた・増えたこと」が36.1%。
妊娠時の自身の年収別にみると、年収500万円以上の層では「キャリアにブランクを作らずに済んだこと」が4人に1人の割合(23.2%)となった。また、妊娠時のパートナーの年収別にみると、パートナーの年収が500万円未満の層は「給与を得て家計を支えられること」が79.7%と、500万円以上の層(69.3%)よりも10.4ポイント高くなった。
2割が復職せず
一方、「復職したが、1年未満で退職した(8.7%)」や、「復職できなかった(13.1%)」など、職場復帰しなかった人は2割を超えた。
職場復帰しなかった理由については、「子どもと一緒にいる時間をもっと作りたくなったから」(23.2%)が最多回答となったが、「職場の人に迷惑をかける・かけそうで不安だったから」(19.4%)や「周囲に育児の面で頼れる人(親など)がみつからなかったから」(14.8%)、「子どもを預けられる保育園がみつからなかったから」(12.9%)などがあった。
そこで、産休・育休取得の促進や、復帰後の活躍のサポートのために、各企業や団体にしてほしいと思うことを聞いたところ、多くの人が「急用時(子どもの急病など)のフォロー体制の確立」(58.1%)を望んでいることが判明。
また、「上司の理解の促進」(48.8%)や「同僚の受け入れムード作り」(40.6%)といった産休・育休を受け入れる意識・雰囲気の醸成や、「労働時間の調整(短時間・短日数勤務を認めるなど)」(47.6%)、「特別休暇制度の導入・充実(子どもの看護休暇など)」(34.3%)といった時短や休暇に関する制度の充実を求める内容も上位に並んだ。