JR西日本は11日、JR京都線(東海道本線)東淀川駅を橋上化し、同駅付近の南宮原踏切と北宮原第1踏切・北宮原第2踏切を廃止すると発表した。踏切廃止と自由通路・橋上駅舎の使用開始は2018年末頃をめざすとしている。

東淀川駅付近の事業計画図(JR西日本提供)

東淀川駅は新大阪駅の北側に位置し、両駅間の営業キロは0.7km。東淀川駅に停車する列車は普通列車のみだが、その他に特急・新快速・快速などの旅客列車や貨物列車が頻繁に行き交い、同駅付近の踏切は「開かずの踏切」と化している。

2014年調査における踏切遮断時間は、南宮原踏切が「最大57分/時、16.3時間/日」でJR西日本管内最長、北宮原第1踏切が「最大56分/時、10.9時間/日」で同社管内2番目の長さ、北宮原第2踏切も「最大40分/時、9.3時間/日」だったという。東淀川駅付近には踏切の他に歩道橋や地下道もあるものの、いずれもバリアフリー未対応のため、交通弱者は踏切を横断せざるをえない状況だった。

東淀川駅の東口駅舎(写真左)・西口駅舎(同右)

東淀川駅の駅舎も経年75年で老朽化している。東口駅舎・西口駅舎をつなぐ地下通路も狭く、駅構内のエレベーターは西口駅舎とつながっていない。JR西日本は現在、踏切障害事故の削減に向けた取組みを進めており、重大事故を未然に防止し、踏切の遮断待ちをすることなくバリアフリーに東西方向を通行できる駅とするため、東淀川駅付近の「開かずの踏切」廃止と自由通路整備・駅橋上化に踏み切ることになった。

2018年末頃をめどに、南宮原踏切と北宮原第1踏切・北宮原第2踏切、東淀川駅構内の地下通路は廃止され、その代替となる自由通路が新設される。自由通路は大阪市との共同事業として整備され、階段とスロープ、エレベーター、上りエスカレーターを備えた施設に。自由通路に接続する東淀川駅の橋上駅舎はJR西日本の事業として整備され、既存の駅構内跨線橋(エレベーターを併設)を活用した施設となる。