NTTドコモでは、スマートフォン1機種あたりの発表サイクルを従来の「半年に1回」から、「1年に1回」のペースに延ばす考えだ。これは端末の開発メーカーと協議の上だという。これにより、例えばXperia Z3の発売から半年後にXperia Z4が発売され、その半年後にXperia Z5が発売される、といったケースは今後なくなるだろう。都内で11日に開催された2016年夏の新商品・新サービス発表会で、この方針が明らかにされた。
NTTドコモでは2016年夏モデルとしてスマートフォン5機種を発売する。これについて記者団から「2015年冬モデルのラインナップと比較すると少ないのではないか」と問われたNTTドコモ プロダクト部長の丸山誠治氏は「冬モデルのラインナップと比較すると、半分くらいに減っている。とは言っても、ひとつひとつは魅力的。機能、性能、価格の面でバリエーションに幅をもたせた」と回答した上で、冒頭で紹介した方針を明らかにした。
しかしモバイル端末の商戦期は、冬と夏の2回ある。これについては「メーカーの希望を聞きながら調整していく」という。つまりドコモの発表会自体は、従来通り年2回あるのかも知れない(詳細は後述を参照)。丸山氏は「今後ともドコモのサービスを端末に載せ、使いやすい製品を提供していきたい」と説明した。
スマホが似てきた
囲み取材には、加藤薫社長が対応。あらためて2016年夏モデルのラインナップについて聞かれると「スマートフォンの性能がアップし、機能が成熟してきている。今後、新たなブレイクスルーはあるかも知れない。ただ現状では少し似てきている。そうした中で、今回は特徴のある5機種を選んだ。新製品の発表を1年サイクルにすると、1機種あたりの端末の調達量が増えるといったメリットもある。メーカーさんの了承も得ている」と回答した。
例えばGalaxyシリーズ、Galaxy Noteシリーズのように、1つのメーカーが複数のシリーズを出し分けている場合はどうなるのか。これについては「これから考えたい」として明言を避けた。またドコモの新商品発表会は年2回のペースで続くと考えて良いか、との質問には「その認識でいるが、メーカーさんの開発テンポが今後どうなるか分からない。我々としては色いろなイノベーションを追いかけながら、特徴のあるサービスをそこに付加して皆さんにご提供できるように頑張っていきたい」と答えるにとどまっている。
関連する話題として、これまで秋に発売するのが通例となっていたAppleから今春、iPhone SEが発売された。このことを踏まえた記者からAndroidの発表を年1回にするとiPhone偏重が進むのではないか、と聞かれた加藤社長は「難しいところ。市場の動向をよく見て考えてみたい」と答えていた。