パイオニアは5月10日、カロッツェリア サイバーナビの新製品を発表するとともに、都内で記者発表会を開催した。
同社は1986年にカロッツェリアブランドを立ち上げ、今年で30周年を迎える。そのカロッツェリアブランドを牽引してきたのがサイバーナビだ。パイオニア 常務執行役員 大館諭氏は、「ネットワーク連携やARスカウターモードといった当社の独自技術に加えて、新たに画像認識による運転支援技術を搭載。ドライバーに迫るリスクを減らす新しいナビの形を示すことができた」と、新サイバーナビの意義を語っている。
新型サイバーナビの大きな特徴が、10V型の大画面モデルの追加や、「マルチドライブアシストユニット」への対応だ。マルチドライブアシストユニットは、画像認識技術を使用して運転支援を行う。
10V型の大画面モデルを加えたラインアップ
新型サイバーナビのラインアップは、ラージサイズの「AVIC-CL900」、200mmワイドタイプの「AVIC-CW900」、2Dタイプの「AVIC-CZ900」に加え、車種専用モデルとして10V型ディスプレイを採用するモデルを用意。専用モデルを利用できる車種は、アルファード、ヴェルファイア、ノア、ヴォクシー、エスクァイア、ステップワゴンだ。
また、7V型のディスプレイはワイドVGAだが、8V型と10V型では、より高精細なワイドXGAを採用している。
汎用タイプのサイバーナビ本体は6月の発売だ。10V型ディスプレイを採用する車種専用タイプの発売は9月となる。また、マルチドライブアシストユニットは9月発売で、同時に、サイバーナビとマルチドライブアシストユニットをセットにしたモデルも発売される。価格はいずれもオープン。
型番 | 種類 | 価格 | 推定市場価格(税込み) |
---|---|---|---|
AVIC-CL900-M | 8V型ラージサイズ/MAユニットセット | オープン | 230,000円前後 |
AVIC-CL900 | 8V型ラージサイズ | オープン | 170,000円前後 |
AVIC-CW900-M | 7V型200mmワイドサイズ/MAユニットセット | オープン | 210,000円前後 |
AVIC-CW900 | 7V型200mmワイドサイズ | オープン | 150,000円前後 |
AVIC-CZ900-M | 7V型2Dサイズ/MAユニットセット | オープン | 210,000円前後 |
AVIC-CZ900 | 7V型2Dサイズ | オープン | 150,000円前後 |
AVIC-CE900AL-M | アルファード専用/MAユニットセット | オープン | 400,000円前後 |
AVIC-CE900AL | アルファード専用 | オープン | 320,000円前後 |
AVIC-CE900VE-M | ヴェルファイア専用/MAユニットセット | オープン | 400,000円前後 |
AVIC-CE900VE | ヴェルファイア専用 | オープン | 320,000円前後 |
AVIC-CE900NO-M | ノア専用/MAユニットセット | オープン | 390,000円前後 |
AVIC-CE900NO | ノア専用 | オープン | 390,000円前後 |
AVIC-CE900VO-M | ヴォクシー専用/MAユニットセット | オープン | 390,000円前後 |
AVIC-CE900VO | ヴォクシー専用 | オープン | 310,000円前後 |
AVIC-CE900ES-M | エスクァイア専用/MAユニットセット | オープン | 390,000円前後 |
AVIC-CE900ES | エスクァイア専用 | オープン | 390,000円前後 |
AVIC-CE900ST-M | ステップワゴン専用/MAユニットセット | オープン | 390,000円前後 |
AVIC-CE900ST | ステップワゴン専用 | オープン | 310,000円前後 |
マルチドライブアシストユニットによるリスク回避
新しいサイバーナビの能力をさらに強化するのが、マルチドライブアシストユニットだ。
例えば、前方の車までの距離や接近速度を判断し、危険が迫っている場合には、ドライバーに音と画面表示で知らせる。また、高速道路だけでなく、一般道でのレーンキープサポートや、横断歩道予告検知表示なども可能だ。
マルチドライブアシストユニットには、ドライブレコーダーとの連携機能も搭載する。駐車時に、センサーによって自車へのリスクを検知し、異変があった場合にはカメラで撮影。その映像を登録されたアドレスに送信できる。また、運転時に、衝撃検知からドライバーに生じたリスクを判定し、登録されたアドレスに静止画や位置情報を送ることも可能だ。
フロントカメラで撮影した映像を解析し、運転に必要な情報と重ね合わせて表示する「ARスカウタービュー」も、マルチドライブアシストユニットによって使えるようになる。
プル型からプッシュ型へ - ネットワークを駆使した情報提供
ネットワークとの連携は、これまでもサイバーナビの大きな特徴となっていた。従来のサイバーナビは、ドライバーが必要なときに必要な情報を引き出す"プル型"のスタイルをとっていたが、新しいサイバーナビは"プッシュ型"のスタイルも採用した。サイバーナビが周囲の状況を検知、先読みすることで、ドライバーに必要な情報を自動で提供していく。
例えば、目的地の駐車場。出発時には空きがあったが、途中で満車になってしまったとしよう。するとサイバーナビが満車であることをポップアップで表示しつつ、近くの空いている駐車場を検索してくれるのだ。駐車場情報だけでなく、プッシュ型の情報通知には、交通規制や天候などの情報など、複数のカテゴリーが用意されている。