ソフトバンクは10日、2016年3月期決算説明会を開催した。平成28年熊本地震発生時の対応について記者団から問われた孫正義代表は「ソフトバンクが一番早く復旧した」と胸を張った。2011年3月11日に発生した東日本大震災”の教訓が活かされたという。
ソフトバンクでは2011年に発生した東日本大震災の際、通信の復旧に時間がかかった。当時、まだ国からいわゆる”プラチナバンド”と呼ばれる900MHzの認可を受けていなかったことも災いしたという。当時を振り返った孫代表は「責任を痛感した。通信が早く復旧していれば、ひとつでも助かる命があったかも知れない」と沈痛な面持ちで話した。この教訓から、ソフトバンクでは「創業以来の大きな規模で、一直線に設備投資を行ってきた。設計についても見直し、さまざまな努力を繰り返した」(同代表)という。この結果、平成28年熊本地震の発生時には「ソフトバンクモバイルの通信が、他キャリアに先駆けて一番早く全面復旧した」と胸を張った。
平成28年熊本地震では、気球に通信機器を載せて空から電波を飛ばす初の試みも実施。また、他社より台数を多く所有しているという移動基地局もフル活用した。「この7、8年の間、ソフトバンクでは大規模な通信障害を起こしていない」というのが孫代表の口癖になりつつあり、通信ネットワークに対して、確固たる自信があることを覗かせていた。