昨年5月以降、新規に発売されるスマートフォンについては、原則としてユーザーが望んだ場合、SIMロック解除が義務化された。とはいえ、いざSIMロック解除が可能になっても、実際にやってみたという人は案外少ない。そこで、ちょうどiPhone 6sがSIMロック解除解禁になったので、実際に試してみた。手順等の参考にしていただければ幸いだ。
対象となるのはiPhone 6s以降
キャリアが販売した端末のSIMロック解除の義務化以降、注目だったのは各社のドル箱であるiPhoneの存在だ。iPhone 6は義務化前に販売された機種なので、現在、購入後半年のSIMロック解除が可能なiPhoneは、昨年9月に発売された「iPhone 6s」のみとなる。先月発売されたばかりの「iPhone SE」も、購入から6カ月が経過すればSIMロックが解除できる。
筆者のiPhone 6s Plusは、昨年9月25日の発売日に購入したもの。契約はソフトバンクだ。通信速度やエリアに大きな不満はないが、そろそろ他キャリアへの移行も考えてみようかと思っていたので、SIMロック解除には興味津々だ。それにもう一つ、筆者の仕事ではキャリアごとの速度チェックもしばしば行うことがある。そのために3キャリアの端末を保持するのは、正直言って負担が大きい。それを安価なMVNOのSIMで代用できるなら渡りに船なのだ(MVNOは時間帯によって遅くなることもあるわけだが)。
実際にSIMロックを解除してみる
それでは早速、iPhoneのSIMロックを解除してみたい。とはいっても、実は手順はあっけないほど簡単だ。ロック解除はソフトバンクの場合、オンラインの「My Softbank」で手続きするか、ショップの窓口で申し込める。ただし、ショップの窓口で申し込んだ場合、手数料が3,000円かかる。あくまでオンラインでやるのが基本というわけだ。
Android端末の場合、My SoftBankの「契約内容の確認・変更」から「SIMロック解除対象機種の手続き」を選び、そのページの下段にある「製造番号(IMEI番号)の入力」を選ぶ。iPhoneの場合はこれで終了だ。画面表示ひとつ変わらないので、あまりに拍子抜けしてしまう。筆者は確認できていないが、Android端末の場合、これで自分の端末あてに数桁の番号(SIMネットワークサブセットロック解除PIN)が発行されるので、それを入力することでロックが解除されるようだ(あいにく筆者は未確認)。
手数料を節約できるだけでなく、24時間いつでも申し込めるという観点からも、オンラインで申し込んだほうがお得感が高い。さっそくオンラインで解除してみたが、あまりにあっさり解除できてしまったので、拍子抜けしたくらいだ。
「SIMロック解除手続き」の下側に「IMEI番号」を入力する。IMEI番号は「設定」→「一般」→「情報」で確認できるので、メモっておこう |
手続きの確認画面が表示されるので「解除手続きする」をタップすれば完了だ |
ここまででネットワーク側の設定は終わったので、あとはこれから使いたい別キャリアのSIMカードを用意する。ここで用意するのは、nanoSIMであればドコモ系ネットワークでも、au系ネットワークでも構わない。iPhoneは市場でも稀有な、単一モデルで3大キャリアの通信方式をすべてサポートする端末なのだ。筆者は手持ちのAndroid端末で使っていたauのSIMを挿してみることにした。
auのキャリアのSIMを挿してみると、最初はPINロックされていないSIMカードを挿せと表示が出たが、「OK」をタップしてiPhoneをアクティベートしたら何も表示されなくなった |
「設定」→「電話」で電話番号を確認してみると、見事に番号が変わっている!(PHSからのMNPなので070) |
隠しコマンドでField Testを呼び出してみたが、ちゃんとauのネットワーク(800MHz)に接続されていた(この時点では電波状況のせいか、3G接続) |
ベンチアプリでLTEの通信速度を計測してみたが、電波状況があまりよくない鉄筋コンクリート製建物の中でも40Mbps近くでており、快適だ |
MVNOの導入のように、もっと設定ファイルを弄ったり面倒なことになるかと思っていたのだが、あまりにすんなり動いてしまった。このままSIMを差し戻しても問題なくソフトバンク回線に切り替わっており、SIMを頻繁に入れ替えての利用もまったく問題はないようだ。