東京商工リサーチはこのほど、「マイナス金利に関するアンケート」の調査結果を発表した。
マイナス金利、中小は金融機関の貸し出し姿勢の変化を懸念
マイナス金利の導入による影響を尋ねると、「影響は受けていない」が最も多く62.5%。他方、影響を受けた場合では、「借入金利の引き下げ実施」が22.7%、「預金金利の下落」が13.0%など、金利低下に関する項目が多かった。
金融機関から現在の利率より低利で融資の打診を受けたら、新規資金として調達するかとの問いに対しては、「調達しない」が約半数の46.9%、「検討中」が31.5%。それに対して、「調達する」は21.6%にとどまっており、同社は「そもそも資金需要がないことが大きい。成長戦略、展望を描きづらいので、負債を増やすということになりにくいのではないか」と分析している。
調達すると答えた企業の理由は、「運転資金」が75.7%で最も多く、以下、「設備投資」が46.2%、「従業員の増員」が14.7%と続いた。
一方、調達しないと答えた企業の理由は、「資金需要がない」が53.2%でトップ。次いで「借り入れを増やしたくない」が25.6%、「既に低利で調達しており、多少の利率低下ではメリットがない」が10.7%となった。
マイナス金利の導入で懸念することの1位は「預金金利の低下」で37.1%。また、3位に入った「金融機関の融資姿勢の硬化」(23.9%)は、資本金1億円以上では18.9%だったのに対し、同1億円未満では25.4%に増えており、同社は「中小企業は金融機関の貸し出し姿勢の変化を懸念している」と指摘している。
調査期間は2016年3月17~29日、有効回答は6,870社。