JR北海道は28日、鉄道事業法第28条の2に則り、国土交通大臣宛に留萌本線留萌~増毛間(16.7km)の鉄道事業廃止届出書を提出したと発表した。
留萌本線留萌~増毛間については昨年8月、年間約1億6,000万円以上の赤字であり、地域の交通手段としての役割を担うには厳しい状況であること、土砂崩れが度重なる災害線区であり、数十億円の防災工事費が必要となることなどを理由に、2016年度中の鉄道事業廃止を発表。沿線自治体(留萌市・増毛町)に鉄道事業廃止の計画を提示した。
その後、鉄道事業廃止にあたってのJR北海道からの支援などについて、沿線自治体と協議してきたという。今年4月に協議がまとまり、鉄道事業廃止の同意を得られたことから、留萌~増毛間の鉄道事業廃止届出書の提出に至った。
JR北海道の発表によれば、廃止予定日を2017年4月29日として届出を行ったが、今後、鉄道事業法第28条の2 第2項の規定にもとづき、国土交通省北海道運輸局の主催で意見聴取が行われる予定で、その中でJR北海道は鉄道事業法第28条の2の規定に定められている廃止日の繰上げを実施したい旨の陳述を行うとのこと。これが認められた場合、廃止予定日を2016年12月5日に繰り上げ、前日の12月4日を最終運行日とする。
なお、留萌~増毛間は2月12日以降、雪崩や斜面の土砂崩壊の恐れがあり、運行の安全を確保できる状況になかったことから終日運転見合わせとしてきたが、融雪が進み、線路の点検などを行い安全が確認できたため、4月28日始発列車から運転再開している。ただし、降雨による落石などの可能性がある箇所は引き続き徐行運転を行う。