アップルは米国時間26日に、2016年第2四半期決算(2016年1月~3月)を発表した。売上は506億ドル、純利益は105億ドル、希薄化後の1株あたりの利益は1.90ドル、売上総利益率は39.4%という結果となった。好決算だった前年同期の2015年第2四半期と比較すると、売上は580億ドルから13%減、純利益は136億ドルから22%減となった。iPhoneの販売減が大きく響いた形だが、アップルはどう挽回するのだろうか。

これまでiPhoneの販売好調を強調してきたアップルだが初の販売減に。どう挽回していくのか

落ち込みが目立つ中国・アジア太平洋地域

アップルは、米国市場外の売上比率が67%であったことを報告している。決算書類のサマリーでは、地域ごとの売上を示しているが、日本以外はいずれも前年同期比でマイナスに落ち込んでいる。米国市場は10%減、欧州は5%減であったが、中国市場は26%減、中国と日本を除くアジア太平洋地域で25%減となった。

昨年末から、中国を中心とした金融市場不安を払拭し切れていないこと、米国の景気回復の遅れ、テロ等のリスクの増大なども背景にあり、世界的に景気の踊り場を迎えていることが、アップルに限らず影響を受ける一般的な背景となっている。

加えて、特にアップルの場合は、大画面化したiPhone 6のこれまでにない大ヒットにより、2015年第2四半期のiPhoneの販売台数は、ホリデーシーズンに当たる第1四半期と同等の6117万台を記録していた。そこからの反動で、今期の決算の落ち込みが、より強調される結果となったと考えられる。

ちなみに日本については、24%の収益拡大となった。アップルが引き続き日本市場で好調であるとともに、為替相場の要因が考えられる。前年同期は1ドル120円前後であったドル円のレートは、今期は1ドル112円前後で推移する局面となっていた。円高ドル安は、米国企業にとっては、ドルベースでの収益を拡大させる。

iPhone初のマイナス成長と下落が続くiPad

アップルはiPhoneが収益の柱となっている企業だ。シリコンバレーのネット企業とは異なり、ハードウェアを販売することで莫大な利益を生み出している。下落したとはいえ、四半期におよそ1兆1,760億円の純利益を上げる企業であり続けているのだ。

ただ、そのiPhoneの販売が、2016年第1四半期にほとんど伸びず(前年同期比30万台増の7477万台)、今期はおよそ1000万台減の5119万台へと下落することとなった。販売台数で16%のマイナスだ。iPhoneの販売台数が、これまでの方法では伸び続けられないことを強く印象づける。

2016年第2四半期のiPhone販売台数は5119万台。前年同期比16%減となった

iPadはより深刻だ。2016年第2四半期には1025万台のiPadを販売したが、前年同期比で19%減。iPadは2013年以降、前年割れを続けており、減少の一途を辿っている。アップルによると、「そろそろ底打ち」との声も聞かれているが、トレンドを転換するだけの施策が必要なことは明らかだ。

好調だったMacについても403万台に留まり、前年同期比12%減となった。2桁減は免れたが、景気後退の大きなトレンドの中で、成長を続けるほどの製品力がないことを表している。