例年9月にドイツ・ベルリンで開催される世界最大級の家電製品展示イベント「IFA」。2016年の開催に先立って、世界各国の報道関係者にその概要を説明する「IFA Global Press Conference (IFA GPC)」が4月18日と19日の2日間、香港と深センで行われた。欧州以外の地域でIFA GPCが催されるのは今回が初めて。4月20日~22日には深センで「CE China」開催され、それに合わせた形だ。
順調に拡大を続けるIFA
IFAを主催するメッセ・ベルリンのCEO、Christian Goke氏は、まずIFA 2015の開催実績を報告。総展示面積が前年から0.3%増の150,000平方メートルに、商談成立額が同2%増の47億ドルに、商談目的の来場者数が同32%増の63,000人に達したことを紹介した。2016年の展示ブースもすでに予約で埋まっているという盛況ぶりで、IFAが好調に拡大していることを示した。
「IFA 2016」の開催は9月2日~7日、会場は例年通りドイツ・ベルリンのMesse Berlinだが、新たなテーマの会場を加える予定だ。追加される展示会場はBtoB向けの「IFA Global Markets」。OEMやODMメーカーが商談を行うために10,000平方メートルのスペースを用意する。
IFA GPCのカンファレンスでは、調査会社・GFKの家電担当Global Director、Juergen Boyny氏が世界の家電市場動向について解説した。「The CONNECTED Consumer」をキーワードとして挙げ、各製品が単なるネット接続機能を超え、統合的にコントロールできるように進化するとの見通しを示した。「スマートフォンが伸びつくし、スマートテレビが伸びつくしたとしても、新たな何かが降臨する」との言葉も印象的だった
Boyny氏はまた、新興国でミドルクラス所得者が拡大していることについても言及。とくにアジアでは、2009年に全体の28%だったミドルクラス所得者が、2020年には54%、2030年には66%にまで膨らむというデータを示し、CE Chinaの開催意義を間接的に裏付けた。