「PTAは任意加入」。タレント・菊地桃子さんによるこのような趣旨の発言がネット上で話題となっている。しかしそうは言っても、周囲の保護者や学校の先生から「引き受けてもらえませんか? 」と委員や役員を頼まれた経験のある親は多いことだろう。
さらに断るにしろ、周囲の説得や理由の説明に苦労したり、ほかの保護者や学校の先生の反応が気になったりした人もいるのではないだろうか。
そこで今回、マイナビニュース会員のうち子どもを持つ男女155名(男性: 128名、女性: 27名)に、「PTAの役員や委員を断ったことはありますか? 」と質問してみた。断った理由や周囲の反応も併せてご紹介しよう。
Q.PTAの役員や委員を断ったことはありますか?
1位: いいえ(74.8%)
2位: はい(25.2%)
Q.「はい」と答えた人にお聞きします。どのような理由で断りましたか。またそのときの相手や周囲の反応はどのようなものでしたか。
・「PTAなど必要ないと思っているから」(51歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「自分には務まらないと思ったから、反応は普通だった」(27歳男性/農林・水産/技能工・運輸・設備関連)
・「行事が多く、(仕事を)休めないから」(50歳男性/輸送用機器/営業関連)
・「ほかに適任者がいたので」(64歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「一度したので」(43歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/公共サービス関連)
・「先生に1対1でお願いされました。やはり、仕事が夫婦ともに忙しく申し訳ないのですがお断りさせてもらいました。先生には逆に『無理を言ってすみませんでした』と言われました」(36歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「やりたくないとはっきり断った。仕方がないなという感じ」(41歳男性/精密機器/メカトロ関連技術職)
・「面倒くさいから」(49歳男性/専門店/販売・サービス関連)
・「仕事との両立が不可能であったから」(43歳男性/教育/専門サービス関連)
・「仕事上、難しいこと。相手も理解してくれた」(35歳女性/サービス/専門職関連)
・「順番が来るまでは断りたいので」(34歳男性/繊維/IT関連技術職)
・「PTAの存在意義を見いだせないので。PTA不要論に賛同する親は多数」(50歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「仕事が忙しい。父子家庭」(44歳男性/建設・土木/営業関連)
・「仕事が忙しいので。批判されました」(32歳女性/官公庁/公共サービス関連)
・「シングルマザーには過酷」(42歳女性/不動産/事務・企画・経営関連)
■総評
調査の結果、約4人に1人が「断ったことがある」と回答。「仕事が忙しくて活動の時間がとれない」という理由が多く、おおかた周囲は理解を示してくれているようだ。また「続けて引き受けているので」(55歳女性/公益・特殊・独立行政法人/専門サービス関連)といった理由も目立ち、一度引き受けた人は何度も頼まれている現状がうかがえた。中にはひとり親など家庭の事情がありながら依頼があったという声、断ったことで「批判された」という人もいた。
最近では共働き世帯が増え、実質的に学校運営に携わる時間が取れない親も多い。真の意味で「任意」の活動としてPTAが成立していくためには、どうしたらよいのだろうか。存在意義やその活動のあり方に再考が求められているのかもしれない。
調査時期: 2016年3月31日~2016年4月12日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 子持ち男女155名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません