オウチーノ総研はこのほど、「ゆとり世代」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は4月12日~19日、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住で20歳~28歳の"ゆとり世代"の男女688名(学生は除く)を対象に、インターネットで行われた。

ゆとり世代68.6%が"ゆとり"を自覚

「自分自身や同世代の人々は"ゆとり"だと思いますか?」

はじめに、「自分自身や同世代の人々は"ゆとり"だと思いますか?」と尋ねたところ、68.6%が「ゆとりだと思う」と回答。特に、小学生の時に"ゆとり教育"が始まり思春期にどっぷりと"ゆとり教育"を受けていた20歳~25歳では73.8%にのぼり、"ゆとり教育"を中学・高校6年間受けた影響が大きく表れる結果となった。

"ゆとり"だと思う理由を聞いたところ、「世間一般で言われる"ゆとり教育"を受けた事実があるから」(25歳/女性)、「中学までの学びが不十分だと今でも感じているから」(22歳/男性)、「考えが"ゆとり"であると言われたから」(26歳/男性)、「のんびりしているところがあるから」(28歳/女性)などが挙がった。

一方「ゆとり否定派(31.4%)」から挙がった意見は、「ゆとり教育になるからと言って、塾などに通わされていた人が多いから」(27歳/女性)、「世の中が思っているような"ゆとり"はなかなかいないから」(24歳/女性)、「就職も難しく、"ゆとり"を感じたことはないから」(20歳/男性)などだった。

57.7%が「"ゆとり"と呼ばれるのは、イヤ!」

「"ゆとり"と呼ばれることについて」

次に、「"ゆとり"と呼ばれることについてどう思いますか?」と聞いたところ、半数以上が「どちらかというと嫌だ(23.5%)」または「嫌だ(34.2%)」と回答した。理由としては「ばかにされている・見下されていると感じるから」という声が最も多く、具体的には「知識が足りていないと思われていそう」(26歳/女性)や「"使えないやつ"の隠語に聞こえるから」(28歳/男性)とのこと。そのほか「ひとくくりにされたくない」「自ら望んだわけではないから」という意見も目立った。

特徴は「打たれ弱い」がトップ

「"ゆとり世代"の特徴」

続いて、"ゆとり世代"の特徴について聞いたところ、「打たれ弱い・失敗を恐れる(17.0%)」が最も多く、怒られ慣れておらず、挫折経験も少ないとのこと。次に多かったのは「仕事や仕事上の付き合いよりプライベートを優先させる(14.7%)」で、会社というコミュニティに縛られず、もっと広い範囲をコミュニティとしているからといった意見。また、生まれた時からデジタルに囲まれて育ったため、「スマホ・ケータイ依存(14.0%)」の傾向にあり、「スマホがないと仕事もできない」という声も寄せられた。

"ゆとり教育"は結果、良いも悪いも大差なし

「"ゆとり教育"を受けた世代で良かったと思いますか?」

最後に「"ゆとり教育"を受けた世代で良かったと思いますか?」と尋ねたところ、「どちらでもない(43.9%)」と思っている人が最も多く、「良かった」という人は27.5%、「良くなかった」という人は28.6%と、"ゆとり教育"を受けて「良かった」と感じている人と「良くなかった」と感じている人の割合に大きな差は見られなかった。

「良かった」と感じる理由として最も多く挙がったのは『休みが多かったから』で、結果的に「土曜日が休みで、家族との時間が増えたから」(27歳/女性)や「自分の時間を確保できたから」(23歳/女性)といった声。次いで「創造性が育まれたと思う」(21歳/女性)や「友人との時間が増え、コミュニケーション力を養うことができた」(27歳/男性)など、『学力以外にも力がついた』という意見が目立った。そのほか、「義務教育は社会に出てからさほど使わないので、結果的に楽できて良かった」(27歳/女性)という声も見受けられた。

一方「良くなかった」と答えた人からは、「"ゆとり"と言われるくらいならしっかり勉強したかった」(28歳/女性)、「何かにつけて"ゆとり"を言い訳にされるから」(26歳/女性)、「国の失敗を押しつけられている気がするため」(27歳/女性)といった意見が挙がった。