南阿蘇鉄道は25日、熊本地震にともなう復旧義援金の口座を開設したと発表した。16日未明の地震で甚大な被害を受け、現在も運転再開の見通しは立っていない。

南阿蘇鉄道は現在も運転見合わせが続いている(写真はイメージ)

1986(昭和61)年、旧国鉄高森線を引き継ぎ開業した南阿蘇鉄道は、立野~高森間17.7kmの路線を運営し、観光トロッコ列車「ゆうすげ号」の運行でも知られる。

最大震度7を観測した4月14日の地震で運転を見合わせた後、4月16日始発から運転再開を予定していたが、16日1時25分頃、最大震度7を観測する地震が再び発生。南阿蘇村で震度6強を観測し、南阿蘇鉄道も全線で運休を余儀なくされた。国土交通省の災害情報でも、南阿蘇鉄道の施設被害に関して、「立野駅~長陽駅間トンネル内壁クラック、橋梁に変状等が認められるが詳細不明(4/16)」と報告されている。

とくにトンネルや鉄橋が被害を受けたことから、「鉄道の復旧には、多数の費用が予想されます」と同社。被害に対する義援金の問い合わせも多いため、専用の口座が開設されることになったという。義援金名は「熊本地震 南鉄復旧義援金」で、各金融機関からの振込みのみ、4月25日から受け付ける。振込先の詳細は同社サイトで案内されている。

復旧義援金の口座開設にあたり、「お寄せいただいた義援金は、全て南鉄復旧財源として活用させていただきます」と南阿蘇鉄道は発表している。