「専業主夫」の考え方が海外にもある?

近年、日本では、男女の平等化や考え方の多様化によって、妻ではなく夫が家庭に入る「専業主夫」が選択肢のひとつとして認められるようになってきました。まだまだ新しい考え方ではあるものの、批判的にとらえられることはだいぶ少なくなったと言えるのではないでしょうか。それでは、日本以外の国々では専業主夫をどのように評価しているのでしょうか。日本在住の外国人20人に聞いてみました。

母国にもいる(問題なし/好評価)

・「いると思います。特に問題にされないと思います」(イタリア/30代前半/男性)

・「います。いいお父さんに見えます」(シンガポール/20代後半/男性)

・「オーストラリアは男女平等を強く推奨している国家ですので、専業主夫のケースは少なくないと思います。さらに、『男は稼ぎ柱』という理念はほとんどないので、環境的にも悪い評価されないです」(オーストラリア/30代後半/男性)

・「専業主夫はいますが、少ないです。大都市では特に何かを言うという人はいないです」(トルコ/40代前半/男性)

母国にもいる(あまりいい評価ではない)

・「いる。ネガティブな評価が多い」(中国/20代半ば/男性)

・「そういうのはありますが、希少です。ベトナムでは、主夫になることが非常に格好が悪くて、男性ではないという評価をされることがあります」(ベトナム/30代前半/女性)

・「韓国にもいます。しかし、『男性は外で仕事をしないといけない』という意識がまだ強いです」(韓国/30代前半/女性)

・「いますが、あまり評価されません」(台湾/40代後半/女性)

・「専業主夫はいますが、やはりまだ普及していません。仕事ができないから専業主夫になったと思われることがあります」(香港/20代後半/女性)

最近増えてきた

・「昔は多分、専業主夫があり得なかったかもしれないですが、今は増えてきています。別に悪い評価はないです。でもマレー人なら、当たり前に仕事をしない人が多いです。専業主夫じゃなくて、完全に仕事も家事もしないです」(マレーシア/30代半ば/女性)

・「近年では増えてきました。専業主夫に対しては別に何とも思いませんが、義理の親から何か言われることは珍しくないと思います」(カナダ/30代前半/女性)

ほとんどいない

・「そういうことはほとんどありません。基本的に共働きか男性が稼ぐのが普通です。ロシアの女の人は強く、『女の人が働いて稼ぐのは当たり前』と思われるくらいの社会ですので、専業主夫に対しては批判的ではありませんが、尊敬はしません」(ロシア/20代後半/男性)

・「ウクライナには専業主夫をしている男性がほとんどいないと思います。なぜかというと、母国では男性が外で働くという習慣が一般的だからです」(ウクライナ/20代半ば/女性)

・「滅多にない」(インドネシア/20代後半/男性)

・「フィリピンでは、夫が専業主夫になるのをあんまり聞いたことがないですが、あったとしても問題はないと思います。夫婦のどちらかが仕事するのか家にいるのか、都合が合えば好きにできます」(フィリピン/30代半ば/女性)

全くいない/聞いたことがない

・「専業主夫はいません。また、専業主夫に対する評価は低いと思います。エジプトでは、妻が働いて夫は一切働かないと見下げられてしまいます」(エジプト/20代半ば/男性)

・「ポーランドには専業主夫はいません。子供が保育園に行ける歳になったら母親は仕事に戻ります。ポーランドは給料が安いため、家族のひとりだけで働くとお金が足りません」(ポーランド/30代前半/女性)

・「専業主夫は聞いたことがありません」(ブラジル/40代前半/女性)

"主婦"もダメ

・「スペインでは共働きするカップルが普通です。家に残って子育てしかしない女性は評価されていません。また、専業主夫に会ったことが一回もありません。おそらく評価されないだろうと思います」(スペイン/30代前半/男性)

そのほか

・「イメージ的には怠け者です」(バングラデシュ/20代半ば/男性)

総評

今回のアンケートでは、問題ないという評価が7件、マイナスな評価が9件と、どちらもおよそ半々でした(ほか、評価なし4件)。また、「共働きが普通」が3件あり、なかにはポーランドの方の回答のように「家族のひとりだけで働くとお金が足りない」という切実な理由で主夫/主婦がいないという場合もあるようです。

今回、「専業主夫はいない」「評価されない」という意見もありましたが、同じ国・地域においても違いはあるでしょうし、回答者の年齢等によっても意見が変わってくるところだと思われます。「オーストラリアは男女平等を強く推奨している国家」というコメントがありましたが、日本においても同水準程度に男女平等が掲げられたなら、今よりもライススタイルがさらに多様化してくるのではないでしょうか。

調査時期: 2016年2月15日~2016年3月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート

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