JR東海は東海道・山陽新幹線で使用している運転管理システム「コムトラック」について、指令員用端末の取替えや周辺機器の改修、駅発車標の改良を行う計画を発表した。ダイヤの乱れが発生した際、よりすばやい対応が可能になるという。
「コムトラック」は指令員へ運行情報を表示する「運行表示系システム」、ダイヤに従って列車進路を制御する「進路制御系システム」、ダイヤ計画や利用者への情報提供を行う「情報処理系システム」で構成され、運行表示系システムと進路制御系システムは駅構内のポイントや自動列車制御装置(ATC)と、情報処理系システムは駅の発車標や自動放送とそれぞれ連動する。
JR東海が入替えを計画しているのは、運行表示系システム・進路制御系システムとの通信を行うコムトラック指令員端末。ダイヤが乱れた際、従来は紙ダイヤと端末画面を見ながら計画変更を検討し、その内容を書面で関係指令に伝えていたが、今後は端末画面上の操作のみで変更作業ができるように改良する。さらに、関係指令への連絡を端末上でできるようにシステムを改修し、列車の変更手配の迅速化を図る。
ダイヤが乱れた際、列車の折返しを行うターミナル駅(東京駅・新大阪駅)の発車標の表示内容も改良。現行では、ダイヤが乱れた際、運転計画が未定の列車についても通常通りの発車番線を表示してしまう仕様となっているが、改良後は運転計画が未定の列車に関して「時刻・番線 未定」との表示が可能になる。運転計画が決定した列車は「おくれ 約60分」など、遅れ見込み時分も表示するとのこと。
入替え・改修に要する工事費用は約21億円で、2018年8月の導入をめざす。