俳優の池松壮亮と菅田将暉がW主演を務め、男子高校生2人の会話で構成された漫画を実写化する映画『セトウツミ』(7月2日公開)の予告映像と第2弾となるポスタービジュアルが22日、公開された。
原作は漫画誌『別冊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載中のコミック。天然な元サッカー部少年・瀬戸(菅田)とクールな塾通いの内海(池松)という2人の関西の男子高校生が川沿いで淡々と放課後トークを繰り広げる作風で、シンプルな内容ながらウイットに富んだセリフなどで評価を得てきた。この独特な世界観を『まほろ駅前狂騒曲』(14年)の大森立嗣監督がメガホンを取って実写化する。2人のほかに女子高生ヒロイン・樫村役として、大阪出身の中条あやみも出演する。
細長いポテトを手に持ちながら「長ない?」と瀬戸が適当に話を振り、それに応えるでもなくぼんやりとしている内海を捉えて始まる予告では、独特の間による2人の関西弁での会話劇が楽しめる。続けて、「大学に行けない」と吐露する瀬戸に対して、やや無神経なセリフで返す内海。あきれた瀬戸が「そういうとこやで…人を見下してると言うか、全員アホに見えてるんやろ」と指摘するも、そこからけんかに発展することもなく、だらだらとした放課後の時間が流れていく。
しかし、そこでシーンは変わり、学校のマドンナ・樫村が初登場。もちろん彼女も関西弁だ。「かわええ~彼氏いるんかな?」と興奮する瀬戸に対して、内海は「樫村さんの何がええん?」といつものムードとは違う食いつきを見せる。そんな内海が樫村に「部活やったらどうなん?」と問いつめられているような場面やビンタをお見舞いされているシーンも映り、のんべんだらりとした世界観の中で、三角関係をもにおわせる映像に仕上がっている。
互いに背を合わせこちらを見ているポスタービジュアルは、そんな気だるい放課後の空気を凝縮している。背景は原作の舞台で、本作のロケ地でもある大阪・堺市の河原。キャッチコピーには「ケンカもしない。部活もしない。壁ドンもない」との言葉が加わり、「喋る」だけの作風を主張しつつ、昨今の高校生ものの映画の胸キュン展開や激しいストーリーが描かれる世界観とは真逆をいくという気概が感じられる。
(C)此元和津也(別冊少年チャンピオン)2013 (C)2016映画「セトウツミ」製作委員会