超低金利と呼ばれて久しい状況の中、さらに追い打ちをかけるようにマイナス金利が実施され、お金を増やす方法を模索している人も多いのでは? 金利がゼロに近い状況でも、物価はここ1年を見るだけでも消費税の値上げなど少しずつあがっている状況です。物価が上がり預貯金金利が付かなければ、持っているお金は目減りしていきます。

それを阻止するにはリスクがあっても投資を取り入れるしか方法はありません。とはいえ、いきなり積極的に投資にシフトするのは危険。まずは家計に影響のない範囲の少額で、少しずつ投資を勉強しながら本格的な投資に備えましょう。

1,000円から始める投資術

マイナス金利時代だからこそ少額からの投資を開始しよう

マイナス金利時代は安全運用だけでお金を増やすことは困難です。お金が増えないなら出て行くものを減らすしかないと支出を削ることばかりに意識が行きがちですが、それも限界があります。

このような厳しい時代に資産を増やしていくには、投資を上手に取り入れていくことが必要です。これまで投資とは無縁だったという人も、これを機会にチャレンジしてみるといいでしょう。

投資商品も以前に比べて多様化し、少額から始められる商品も増えています。確実に増えるというものはなく、何かしらのリスクを負いながら収益を目指すので、貯蓄に回す予定のお金の一部を使ってまずは慣れることから始めることが大切です。

収入の中から毎月1,000円ずつ積み立て投資にチャレンジ

投資商品は、株式投資を始めFXなどの外貨投資、金などの商品投資、様々な投資先に分散投資できる投資信託などいろいろな種類がありますが、最初にチャレンジするなら積み立てスタイルで投資できる商品を選んでみるといいでしょう。

投資信託を毎月コツコツ買っていく積み立て投資信託なら、月々1,000円から始められるので、投資する余裕があまりないという人にも取り組みやすいので投資ビギナーにはおすすめです。一度手続きを行えば、積立貯蓄のように毎月自動的に口座から投資資金が引き落とされ目当てのファンドを購入してくれるので、手間なく投資にチャレンジできます。

また、積み立てスタイルなら、いついくらでどれだけ買うかといった投資のタイミングで迷う必要もなく、少しずつ投資ができるので、初心者でも始めやすいでしょう。

積み立て投資信託は多くの銀行でも取り扱っているので、わざわざ証券会社に口座を作るのが面倒と思っている人にとってもハードルが低くておすすめです。もちろんこれから本格的に投資にチャレンジするための足がかりにしたいと思っているなら、これを機会にネット証券の口座を開いて、まずは積み立て投信から始めるというのもよい方法です。ネット証券の積み立て投信は種類も豊富で中には楽天証券などのように500円から始められるものも。資金が少なくても複数の積み立て投信を買うことも可能です。

「ちりも積もれば山となる」のちりつも方式で、少額でも一度始めたら長く続けることで気付いたら預貯金よりも、ずっといい利回りになっているということがあるかもしれません。

初めて投資に挑戦する人は、この積み立て投信で大きくもうけようと考えるのではなく、まずはひとつ買ってみて、投資先の情報に興味を持つことからスタートするといいでしょう。どんなニュースや状況が株や通貨などにどのような影響を与えているのか、実際に投資してみることでより身近に感じることができるはずです。

個別銘柄も1株単位で購入してみよう

いろんな情報に触れて自分で考えられるようになったら、株式の個別銘柄やFXなどの外貨投資などにチャレンジするといいでしょう。もちろん投資信託も積み立て以外にスポットで購入できますので、もっと積極的に投信へ投資するのもひとつの方法です。

株の個別銘柄投資も最低単元が数万円程度の銘柄も多く、探してみると1万円前後で購入できるものもあります。それでももっと少額から個別銘柄に投資したい、あるいはお目当ての銘柄が単元株では手が出ないという状況なら、単元株の10分の1から始められるミニ株や、1株単位で購入できる単元未満株取引などならもっと少額からの投資も可能です。単元未満株取引はカブドットコム証券のプチ株、SBI証券のS株、マネックス証券のワン株などがあります。

このように、少ない資金でも無理なく投資できる商品は、探せばたくさんあります。お金を銀行に預けっぱなしでは、これからの時代実質資産は目減りする可能性が高いです。特に今のようなマイナス金利と呼ばれるときには、一気にインフレに転換したときに預貯金などは大きく価値が目減りしてしまいます。それを防ぐためにも、預貯金以上の収益を狙える投資商品に今から少しずつ慣れておく必要があります。


堀内玲子
ファイナンシャルプランナー。証券会社勤務後、編集製作会社で女性誌、マネー関連書などの編集を経て93年に独立。96年ファイナンシャルプランナー資格を取得。FPとして金融・マネー記事などの執筆活動を中心に、セミナー講師、家計相談などを行う。著書に「あなたの虎の子資産倍増計画」(PHP研究所・共著)「年代別 ライフスタイル別 生命保険のマル得見直し教室」(大和出版)など。