シェイクはこのほど、同社の調査ツール「成長支援組織診断」を受信した国内企業507部署を対象に実施した、「メンバーの成長に対する支援の状況」を可視化する調査の結果を発表した。調査期間は2013年10月~2016年2月。

人が育つ職場は「よく見て、正しく褒め、振り返る」

「人が育つ職場とそうでない職場の支援の差」

同調査では、人の成長に必要な支援を「精神的(ハゲマシ)支援」「業務的(アドバイス)支援」「挑戦(ストレッチ)支援」「内省(キヅキ)支援」の4つに分類。

まず、「人の成長に必要な支援」に関する具体的な行動について、メンバーからどの程度受けているかを「当てはまる」「少し当てはまる」「あまり当てはまらない」「当てはまらない」の4択から回答してもらい、それぞれ100・75・25・0に置き換えることで定量化し、ポイントを算出。支援の量が上位だった部署と下位だった部署を比較した。

その結果、最も大きな差が表れた行動は「コンディションを気にかける」で72.8pt差となった。次いで「評価している能力を伝える(71.1pt差)」「事実に基づいて褒める(70.1pt差)」と続き、人が育つ職場とそうでない職場には、"日々観察し、事実に基づいて褒め、振り返りの機会を設ける"行動の量に、大きな差があることがわかった。

これからも成長できると感じる職場とは

「これからも成長できると感じさせる支援行動について」

次に、「この職場でこれからも成長できると感じている人」とそうでない人とが、職場で受けている支援の内容を分析したところ、「成長の魅力を伝える(50.7pt差)」「評価している能力を伝える(48.7pt差)」「周囲の期待を伝える(48.3pt差)」などに大きな差が表れ、組織で中長期的に成長してもらうためには、「成長の魅力」や「期待していること」を具体的に伝えることが重要であることが伺える結果となった。

成長に対する支援の行動ランキング

「成長に対する支援の行動ランキング」

日本の職場507部署が行っている、「人の成長に必要な支援」の平均量をランキングにした結果、「相談しやすい環境を作る(80.3pt)」「聞き役になって否定しない(77.8pt)」「叱咤激励している(72.4pt)」など、"精神的な支援"が上位に並んだ。

一方「評価している能力を伝える(51.6pt)」「失敗を恐れさせない(54.8pt)」「成長の魅力を伝える(55.2pt)」など、一人前になり自立を促す"挑戦支援"は下位に。精神的な支援はできているが、挑戦を促す支援が不足している現状が明らかとなった。