JR西日本は山陽新幹線の地震対策の一環で、2種類の新たな保守用車を導入すると発表した。高架橋での電柱建替えと逸脱防止ガードの敷設にともなう枕木交換に使用するもので、作業の円滑化や効率化が期待できるという。
今回導入するのは「新幹線用電柱建替車」2編成と「新幹線用枕木交換機編成」1編成。新幹線用電柱建替車は、高架上のコンクリート電柱を鋼製に置き換える作業に使用する新潟トランシス製の車両で、1日2本の施工能力を持つ。これまで高架下にクレーンを設置できる場所での施工を先行してきたが、この車両は線路上から施工できるため、高架下にクレーンを設置できない場所でも電柱の建替えが可能となる。2両1編成で全長約32m、幅約3.3m、高さ約4.5、重さ約74トン。
新幹線用枕木交換機編成は、連続的に枕木の取替え作業ができる世界初の保守用車。バラストの一時撤去から新旧の枕木交換、枕木とレールの取付け、バラストの再散布、突き固め・軌道修正に至るまで一連の作業を自動化でき、1日200本の枕木交換が可能だという。
2022年度末までに予定している姫路~博多間(約110km)での逸脱防止ガードの取付けにともない、枕木の取替えも大量に発生することから、今回導入を決めた。1編成11両で全長約170m、幅約3.4m、高さ約4.4m、重さ約470トン。オーストリアの鉄道工事用車両メーカー「プラッサー&トイラー」から購入し、5月頃から使用開始する。YouTubeのJR西日本公式チャンネルにて、これらの新たな保守用車のしくみなどを解説した動画も視聴できる。