内閣府地方創生推進事務局は4月13日、3回目となる「羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会」を実施。羽田空港跡地地区と多摩川を挟んだ対岸にあたる殿町地区の整備状況や今後の予定、また、両エリアをつなぐ連絡道路の橋の位置や工事予定などについて方針を定めた。

羽田空港周辺・京浜臨海部エリア

羽田空港跡地地区第1ゾーンの整備に関しては大田区が中心となり、土地区画整理事業の事業化に向けた検討が進められ、2016年2月には都市計画が決定した。今後は、2016年度内の事業認可の取得に向けた調整を進めていく。また、2020年の世界と地域をつなぐ新産業創造・発信拠点の形成に向け、先端産業分野のビジネスマッチング促進およびクールジャパン発信機能について、事業者公募等必要な取組を推進する。

羽田空港跡地地区第2ゾーンの整備に関しては、国土交通省航空局において宿泊施設等の整備・運営を行う民間事業者の選定に係る公募手続きを開始した。今後は、2020年のまちづくりの概成に向け、2016年6月の事業者決定に向けた公募手続きを進めるとともに、第2ゾーン整備の前提となる環状八号線の付け替え工事を2017年度に完成させる。

殿町地区の整備に関しては、2016年度の地区内の施設整備の概成に向け、研究機関等の誘致が進められている。今後は産学官等が連携し、持続的に地区内外のイノベーション活動を活性化する連携プラットフォームやマネジメント機能等の仕組みを構築するなど、2020年の世界的なイノベーション創出拠点の形成に向け、引き続き必要な取組を推進する。

スケジュールイメージ(今後、情勢の変化等により変更となる場合がある)

連絡道路に関しては、羽田空港跡地地区と殿町地区を結ぶ連絡道路となる橋梁について、架橋位置の計画条件および施工条件を踏まえ、自然環境、景観などにも配慮し、構造形式の最有力案を選定。今後は、2020年を目指した成長戦略拠点の形成を支えるインフラとしての事業の実現に向け、環境への影響に配慮しつつ2016年度内の都市計画の決定に向けた手続きを進めるなど、引き続き必要な取組を推進していく。

具体的には2017年度前期に連絡道路の工事を開始し、2020年度の完成を目指している。連絡道路に関しては東京都や川崎市および国土交通省航空局が協力して進めるとともに、神奈川県は連絡道路の意義を踏まえ、既存の政令市への枠組みを超えた支援をし、川崎市と内容を調整して進めていく。

特定都市再生緊急整備地域等に関しては、国際競争力の強化に向け、羽田空港周辺地域と京浜臨海部との連携強化のための民間都市開発や連絡道路をはじめとする関連公共施設の整備の推進を図る。そのために、2016年度内に羽田空港跡地地区および連絡道路等の区域について、川崎殿町・大師河原地域と一体となった都市再生緊急整備地域および特定都市再生緊急整備地域の指定を目指す。

国道357号多摩川トンネルに関しては、事業着手に向けて必要な調査・設計が終わったことから、2016年2月にトンネル工事に向けた現地での地質調査に着手した。引き続き、早期整備に向け、必要な取組を推進する。

今後、国および地方公共団体の関係機関は、羽田空港周辺地域および京浜臨海部の連携を強化し、成長戦略拠点の形成を図るため、引き続き協力しながら取組を推進していく。