子どもの声による騒音問題で、保育園の開園が中止になったというニュースが話題となっている。もちろん地域住民の理解は大事だが、親たちの多くが保育について望むのは、やはり「保育園の数を増やしてほしい」ということらしい。今回は、マイナビニュース会員のうち子どもを持つ既婚の男女191名(男性: 126名、女性: 65名)に、「保育事情について不満を感じたことはありますか? 」と質問してみた結果をご紹介する。
Q.保育事情について不満を感じたことはあります(ありました)か?
はい 35.1%
いいえ 64.9%
Q.「はい」と答えた方にお聞きします。どのようなことを不満に感じ、どのようになればよいと思うか教えてください。
回答は、「保育所の不足」が42%、「保育料が高い」が10%、「一時保育が利用できない」が7%、「質の低下」が6%、「預けられる時間が短い」が4%となった(それ以外は、その他)。
■保育所の不足
・「園が足りなくて抽選に漏れるのではないかと不安だった」(28歳女性/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「保育施設が非常に不足しており、共働きもままならない」(64歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「保育園になかなか入れないこと。うちの会社は2年育休が取れるが、そういう制度の意味がなくなってしまう」(33歳女性/化粧品・医薬品/営業関連)
・「認可保育園に入れない。点数が並ぶと単純に年収順で年収が低い人から入れる仕組みになっている。公平なように見せて不公平」(36歳女性/生命保険・損害保険/営業関連)
■保育料が高い
・「高い!! 」(34歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「費用が高い」(27歳女性/コンピューター機器/事務・企画・経営関連)
・「保育所(の利用料)が高額」(57歳男性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「保育料が高いため、安くなると助かる」(29歳女性/ガラス・化学・石油/事務・企画・経営関連)
■一時保育を利用できない
・「急な用事の時に子どもを預けられる施設が増えてほしい」(27歳男性/農林・水産/技能工・運輸・設備関連)
・「必要なときに預かってもらえない。(利用できる)条件を緩和してもらいたい」(38歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「一時保育にも入れないので入れるようにしてほしい」(34歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「一時預かりの制度があまりないので、増えればいいと思う」(26歳女性/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
■質の低下
・「数が少なく、質も低い」(39歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「保育士の質が低い、特に保育士と親との連絡体制をしっかりしてほしいと思う」(39歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「質の低下。安心して預けられない」(28歳女性/その他/その他・専業主婦等)
■預けられる時間が短い
・「預かり時間をもう少し遅くまで」(50歳男性/不動産/営業関連)
・「預ける時間が短すぎて預けられない」(41歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「幼稚園に通わせていたのですが帰りの時間が早すぎる。もう少し時間の延長をしてほしかった」(59歳女性/その他/その他・専業主婦等)
■その他
・「日本死ね」(33歳男性/専門コンサルタント/専門職関連)
・「保育園を増やすのに負担金を強いられた」(43歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「保育園に入ることはできたが、妻は保育園に合わせて仕事を休んだりしなくてはいけないので苦労している」(33歳男性/重電・産業用電気機器/営業関連)
・「仕事がなくて困っている人が多くいる反面、保育・教育に従事する方々は常に人手不足。このアンバランスを解消できるようになったらいいと思う」(41歳男性/化粧品・医薬品/専門サービス関連)
■総評
一番多く寄せられた不満は「保育所の不足」、いわゆる待機児童の問題だった。子どもを預けられない親たちの不満と怒りはこれまで以上に高まっているようだ。大切な子どもを預ける保育園。保育士の質や教育方針など慎重に選びたいところだが、もはや「入れるだけでありがたい」状況のため選択の余地はないとのこと。そのため、運よく入れたとしても「家から遠い保育園に通わなければならない」といった入園後の苦労があるようだ。
次に目立っていたのは「保育料が高い」という不満だった。平成27年度より保育料の算定方法が大きく変更されたが、それにより家庭によっては保育料が驚くほど上がったという話も実際耳にする。今回のアンケートでも、保育料が高いために「共働きも思うようにできない、よくなる方向性が見えない」「金銭的な負担が多く、子どもをうんだ母親が働く価値がほとんどない」といった悲観的な意見が多く寄せられた。
他にも「不当な保育園、幼稚園の閉園がある」「病児保育や延長保育など(の支援)が薄い」「自分の希望通りにいかない」といった不満の声が聞こえたが、こうした状況を「行政が把握していない」ことに不満を感じている人もいた。政府は「子育て支援」を注力すべき政策として掲げているが、まだまだ課題が多いのが現状のようだ。
調査時期: 2016年2月23日~2015年3月7日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 既婚男女191名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません