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妊娠中は「食べるものに気をつけよう」とは思うものの、具体的な食材については意外にわからないもの。「妊娠中に食べてはいけない食材」と、「その理由と対策」についてエームサービスで管理栄養士をされている西山英子さんに、お話をうかがいました。

ナチュラルチーズは、NG!

―妊娠中に食べてはいけない食材はありますか?

厚生労働省が呼びかけている「摂取してはいけない食材」としては、ナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモンなどがあります。

―なぜ、食べてはいけないのでしょうか?

リステリア食中毒を防止するためです。リステリア菌は、食品を介して感染する食中毒菌のことです。

塩分にも強く、冷蔵庫でも増殖します。妊婦、高齢者などの免疫機能が低下している方が食べると、敗血症や髄膜炎などになることがあり、海外では死亡例も確認されています。また妊婦が感染すると、流産の可能性も高まり、生まれた新生児に影響が出ることがあります。

レバ刺、レアなステーキも、NG!

―その他に、食べてはいけない食材はありますか?

十分に加熱されていない肉も危ないですね。なぜなら、寄生虫「トキソプラズマ」の感染源になる可能性があるからです。トキソプラズマはマラリアと同じ寄生虫の一つです。妊娠中に初めて感染した場合は、胎盤を通して胎児にうつり、脳や目に障害のある赤ちゃんが生まれることがあります。

「しっかり加熱」がポイント

―チーズがダメとなると、妊娠中の乳製品摂取のハードルが高くなりますね

チーズの中でもナチュラルチーズと呼ばれるタイプのチーズ(モッツァレラ、カマンベールなど)は避けましょう。一方で、プロセスチーズやビザやグラタンなど、加熱したナチュラルチーズであれば大丈夫です。

―レバ刺、レアなステーキがNGとなると、焼き肉もNGですか?

「生肉がダメ」というだけで、よく火を通して調理すれば大丈夫です。焼き肉は、しっかりと火が通っているか確認した上で食べて下さいね。

―ありがとうございました

取材協力

西山英子さん(エームサービス 管理栄養士)。給食事業を受託するエームサービス内の研究・開発部署で、イベントの企画・開発や栄養指導などの業務に携わる。

筆者プロフィール: 楢戸 ひかる(ならと ひかる)

1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。HP「主婦er」にて、主婦生活に役立つ情報を発信中。とりわけ、マネーワークショップを主宰することで「家計運営の基盤づくりの啓蒙」に力をいれている。