「カレーは飲み物です」のフレーズを最初に発したのはタレントのウガンダ・トラ氏だったと記憶しているが、今や体格のいい芸能人だけでなく、細身の女性タレントまで口にする"おなじみのフレーズ"になったと言っても過言ではない。しかし、過去にこの言葉を口にしたタレントも、まさか本当に"飲めるカレー"が発売される日が来るとはゆめゆめ思ってもみなかったのではないだろうか?

金沢カレーコーラ(参考売価: 税込216円)

北陸のご当地の味をコーラで再現

その飲み物を開発したのは、富山県に本社を置く「トンボ飲料」。なんと明治29年(1896)創業の老舗で、国内に現存する最古のラムネメーカーだ。

しかし、そんな歴史あるメーカーがなぜカレーを飲み物に? その疑問を解消すべく、トンボ飲料マーケティング部の金田さんにお話をうかがったところ、"飲めるカレー"は北陸ご当地ドリンクの第四弾として発売されたことが判明した。

気になる商品名は、「金沢カレーコーラ」。「金沢カレー」とは、黒味がかかった濃厚なルーがかかったカツカレーで、ステンレスの皿にたっぷりの千切りキャベツとともに盛られたゴージャスな見た目とおいしさが相まって人気に火が付き、ご当地の味として脚光を浴びている。

「金沢カレーコーラ」と「金沢カレー」

そんな金沢カレーの、ルーの風味、ソースの風味、そしてとろみまでを再現した「金沢カレーコーラ」は、同カレーのファンから「よく特徴をつかんでいる」「金沢カレーっぽい! 」と大好評だという。さらには、「『思いのほかちゃんと飲める』という声も多いですよ」と金田さんが明かしてくれたが、飲んだことがない人がこのボトルを目の前にすると、「すんなり喉を通るだろうか? 」と思ってしまうというのには大いにうなずける。

過去には架空の果実の味まで表現

ちなみに、前述の北陸ご当地ドリンクであるが、第1弾から第3弾も実にユニーク。まず、2011年に発売された「ラボンサイダー」は、トンボ飲料の創業者のアイデアによって生まれた空想上の果実「ラボン」のフレーバーを具現化させたという一風変わったサイダーだ。トンボ飲料が昭和初期に富山県内で販売していたオリジナルサイダーで、製造終了から何年も経過していたが、あるとき偶然、当時のレシピが見つかったことで、復刻・販売にこぎつけたんだとか。

続いて発売となった「富山ブラックサイダー」は、B級グルメとして今や全国区にその名を知られる「富山ブラック」をイメージして作った一品。さらに、惜しくも2016年2月をもって販売終了となってしまったが、「越中富山やくぜんサイダー」なるレアな一品が存在したことも。

左から、「ラボンサイダー」「富山ブラックサイダー」(どちらも参考売価: 税込216円)

もちろん、第5弾以降の製品化も検討中。「現在すでにいろいろ候補が挙がっているので、来年の製品化を楽しみにしていてください」と語る金田さんに、最後に「金沢カレーコーラ」の魅力を尋ねたところ、「10人中3人がハマる味です(笑)」となんとも大胆な回答。

「ご当地グルメ・金沢カレーをコーラの中にうまく表現できたと自負しています」という自信満々のその味をぜひ試してみたいなら、石川県、または富山県の高速道路サービスエリアまたは道の駅でお買い求めを! 遠方でなかなか北陸に足を運ぶ機会がないなら、トンボ飲料のオンラインショップから注文するのもあり。

お風呂上がりの一杯にいかが?

オンラインからの注文だと20本単位(税込3,900円)になるが、話のネタとして友だちや同僚みんなと楽しむのもいいかもしれない。