内閣府はこのほど、社会や国に対する国民の意識を調べた「社会意識に関する世論調査」の結果を発表した。
社会で満足していない点、「経済的なゆとりと見通しが持てない」
現在の日本の状況について、悪い方向に向かっている分野を尋ねたところ(複数回答)、「国の財政」が38.0%で最も多く、以下、「景気」が29.5%、「地域格差」が27.9%、「雇用・労働条件」が26.8%と続いた。また、「景気」が良い方向に向かっていると答えた人は前年の10.4%から7.3%に減少した。
内閣府は「単純に昨年の数字との比較でいえば、景気が良い方向に向かっていると答えた割合は3ポイントほど減少しているが、昨年だけでなく過去調査も含めたより長いスパンでみていただきたい」と話している。
良い方向に向かっている分野を聞くと、「医療・福祉」が29.2%、「科学技術」が29.1%、「治安」が19.8%との順となった。
現在の社会で満足していない点については、「経済的なゆとりと見通しが持てない」が44.4%でトップ。次いで「若者が社会での自立を目指しにくい」が37.1%、「家庭が子育てしにくい」が28.5%、「熟年・高齢者が社会とかかわりにくい」が25.2%となった。
一方、現在の社会に全体として「満足している(計)」と答えた割合は前年比2.7ポイント増の62.0%と、過去最多を更新した。
調査期間は2016年1月28日~2月14日、有効回答は20歳以上の日本国籍保有者5,877人。