商工組合中央金庫(以下、商工中金)は4月7日、「中小企業の賃金動向に関する調査」の結果を発表した。
2016年夏ボーナスは「引き下げる」が増加
2016年に賃上げ(定期昇給/ベースアップ・賞与などの引き上げ)を行う予定の企業は72.2%。前年より5.1ポイント減少したものの、未定の企業もあり、商工中金は「賃上げの機運に大きな変化は生じない」とみている。
賃上げを予定する理由を聞くと、全産業で「処遇改善による人材の定着化」の64.6%(前年61.7%)が最多、次は「自社の業績改善を反映」の44.1%(同45.6%)と、前年と大きな違いはなかった。ただし、「人材確保(採用)のために必要」は43.3%(同37.1%)に増えており、商工中金は「人手不足感が今後も高まることを見込んで、待遇改善による労働力の確保を狙う動きがうかがえる」と分析している。
定期昇給を制度化している企業は66.9%にとどまったが、定昇制度のある企業では2015年に85.1%が定期昇給を実施しており、2016年も引き続き定期昇給は実施されると見込んでいる。
2016年にベアを行う予定の企業(定昇制度あり)は、定昇制度のない企業を含めた全体の23.6%にとどまった。賞与などの一時金については、2016年夏は52.0%が「引き上げる予定」で2015年冬実績(66.9%)より大幅に減少。一方、「引き下げる予定」は2015年冬実績(20.3%)から25.0%に増加した。
調査時点は2016年1月1日、有効回答は4,640社。