日本レコード協会はこのほど、2015年度「音楽メディアユーザー実態調査」の結果を発表した。
有料聴取層の減少要因はYou Tube?
この半年間の音楽との関わり方を尋ねたところ、最も多かったのは、音楽にお金を使っておらず、特に音楽を聴こうとしない「無関心層」の34.6%で、前回調査の2013年度(17.4%)から倍増した。年代別にみた場合、中学生~20代社会人では20%未満だったが、30代では31.7%、60代では半数近い46.9%と年齢が上がるにつれて多くなっていた。
一方、音楽を聴くために、音楽商品を購入したりお金を支払ったりしたことがある「有料聴取層」は前回比11.6ポイント減の32.9%に減少。年代別にみると、高校生、大学生、20代社会人では有料聴取層が半数を超えたのに対し、30代以上では高齢になるほど減少していた。
音楽にお金を使っていないが、新しい曲も聴いている「無料聴取層」は13.2%(同19.1%)、音楽にお金を使わず、以前から知っていた曲しか聞いていない「無料聴取層(既知楽曲のみ)」は19.3%(同19.0%)だった。
楽曲購入の減少・非購入理由は、「現在所有している音楽で満足している」が52.5%で最多。以下、「無料の音楽配信サイトや動画配信サイト、アプリで満足するようになった」が30.0%、「音楽にお金を使おうと思わない・思わなくなった」が26.6%と続いた。
主な音楽聴取手段は、「You Tube」が50.7%で最も多く、次いで「音楽CD(レンタル等含む)」が41.8%、「楽曲ファイル」が27.0%となった。
同協会は「直接的な原因ではないにしろ、『You Tube』で音楽を聴く層が増えていることと有料聴取層が減っていることは、全く無関係ではないと考えている。今後、無関心層が増えていくような結果にはしたくないと考えており、今回の調査結果をレコード会社のビジネスの参考にしていかなければいけない」と話している。
調査時期は2015年9月、有効回答は12~69歳の個人2,014人。