敷金・礼金って日本だけじゃないの?

日本で部屋を借りる場合は、まず不動産屋を訪れ、保証人を立て、たくさんの書類にサインし、敷金や礼金を払い……と、なかなか手間がかかるもの。最近では「敷金・礼金なし」をうたう物件も見かけるが、海外ではどうなのだろう。日本在住の外国人20人に聞いてみた。

Q.日本でアパートの部屋を借りる時、敷金・礼金を払わないといけないところが一般的です。母国にも敷金・礼金はありますか? 母国でアパートの部屋を借りる時の一般的な手続きを教えて下さい

日本とほぼ同じ

・「敷金・礼金に近いものはありますが、ない物件もあります」(トルコ / 40代前半 / 男性)

・「ウクライナでも敷金・礼金を払わないといけないところが一般的です。不動産業者を通してアパートを探す場合、不動産業者に家賃の半月分を払わなければなりません」(ウクライナ / 20代半ば / 女性)

・「日本と一緒です」(ブラジル / 40代前半 / 女性)

・「オーストラリアでは『ボンド』という保証金と、不動産屋に仲介手数料を払う必要があります。ただし、最近は単身向けにシェアハウスの場合も多いです」(オーストラリア / 30代後半 / 男性)

敷金(保証金)のみでOK

・「マレーシアではだいたい、デポジット(保証金)だけ支払います」(マレーシア / 30代半ば / 女性)

・「台湾では礼金が必要がありません。一般には賃貸契約を交わして、敷金1カ月と家賃を払えば住めます」(台湾 / 40代後半 / 女性)

・「敷金は保証金になるのでありますが、礼金はないです。(私自身は)イタリアではアパートを借りたことがないです」(イタリア / 30代前半 / 男性)

・「スペインでアパートを借りる手続きは契約書にサインすることだけです。敷金を払う必要があるところは多いですが、礼金はありません」(スペイン / 30代前半 / 男性)

・「敷金はありますが、礼金はありません。いいアパートを見つけたら大家と話をして、敷金(家賃の1カ月分)と1カ月分の家賃を払って契約します。解約の1カ月前報告する必要があります」(ポーランド / 30代前半 / 女性)

・「デポジット(敷金)はありますが、礼金はないです。身元保証人、勤務先などを家主に聞かれることもありますが、聞かれない場合も珍しくありません。決まったらデポジットを払って、契約書へ署名して、成立します。敷金とはいってもデポジットなので、ダメージ(補修箇所)がなければ転出する時に返されるか最後の1カ月の家賃になります」(カナダ / 30代前半 / 女性)

・「礼金はないですね。手続きは基本日本と似てますが、審査などはそんなに真剣にやりません。それと、賃貸でも勝手に壁に穴を開いたりとかしても大丈夫です。次に入居する人が気になるなら自分で直すって感じですね」(香港 / 20代後半 / 女性)

敷金も礼金もない

・「基本的に不動産屋に来て話をして、不動産屋の人に物件を案内してもらって、大家さんとも話をして契約します。礼金・敷金というのはありません」(ロシア / 20代後半 / 男性)

・「敷金礼金はありません。エジプトではアパートを借りる時に不動産はアパートのオーナーから手数料をもらいます」(エジプト / 20代半ば / 男性)

・「ない。仲介を介してアパートを借りる」(中国 / 20代半ば / 男性)

・「ありません」(バングラデシュ / 20代半ば / 男性)

・「家賃を払えばいいです」(フィリピン / 30代半ば / 女性)

独特の契約法で借りる

・「ありませんが、前金制度があります。一般的な手続きは1年間以上借りる時は3カ月分の前金を払います。電気代が別。契約を終えたら、前金を処分か還元することのが一般的です」(ベトナム / 30代前半 / 女性)

・「礼金はありません。敷金(保証金)のみです。韓国では毎月の家賃を払う方法もありますが、多額の保証金を預けてタダで住む方法もあります。韓国にしかない制度だと聞きました。手続き方法は日本とほぼ変わらないです」(韓国 / 30代前半 / 女性)

・「敷金・礼金はないですが、エージェント費がかかります。そもそもローカルの人がアパートを借りる習慣はありません」(シンガポール / 20代後半 / 男性)

総評

寄せられた回答を見たところ、日本ほど厳しく入居審査をする国はあまりないようだ。「敷金」にあたる保証金は払うのは一般的な国が多い一方で、「礼金」まで払うという国は少ない。しかし、「礼金」に似た制度が日本以外でもいくつかの国にあることも分かった。また、韓国のように、多額の保証金を一度に預けるような変わった制度の国もあるようだ。

ちなみに筆者はアメリカでアパートを借りる際に、「クレジット(信用)」を調べられたことがある。そのため、人によっては用もないのに銀行からお金を借りて返済し、"信用できる人である"という前例を作ることもあるそうだ。しかし、その後の手続きはかなり簡単。その点、日本に住み始めたばかりの外国人は、複雑な契約のステップに戸惑うことも多いかも知れない。

調査時期:2016年2月15日~2016年3月15日
調査対象:日本在住の外国人
調査数:20名
調査方法:インターネット応募式アンケート

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