日ごろからコンタクトレンズのお世話になっている人は多い。だが、正しい使い方をしなければ失明や角膜腫瘍などに陥るリスクもはらむ。それらの疾病の中でも、身近で起きやすいのがアレルギー性結膜炎だろう。
今回はあまきクリニック院長の味木幸医師に、「コンタクト使用で起きるアレルギー性結膜炎のセルフケア術」について伺った。
コンタクトに付着した汚れや消毒液が原因
「アレルギー性結膜炎」は、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜である結膜に起きる炎症が原因。罹患(りかん)すると、「目のかゆみ」「白目の充血」「目がゴロゴロするといった異物感」「白く粘性のある目やに」などの症状がでる。
ハウスダストや花粉などがこの疾病を引き起こすことは有名だが、実はコンタクトレンズもアレルギーを引き起こす。レンズに付着した汚れや、消毒液に入っている防腐剤など、直接的・間接的にコンタクトが関わっているのだ。
最も多い事例としてはレンズに付着した汚れだそうで、「一時、レンズのこすり洗い不要の製品が流行したときに皆がその製品を購入して、レンズを洗うという習慣がなくなった気がします。あまりやりすぎるとレンズが破れてしまいますが、適度なこすり洗いは必要ですね」。
コンタクトにはさまざま材質の製品があることは周知の事実だ。ただ、興味深いことに、その人の体質によって付着する汚れの成分が異なるため、最適な材質が異なると味木医師は解説する。
「目から出る汚れには、成分によって『脂っぽい』とか『たんぱく質っぽい』などがあり、レンズの素材によって汚れやすさが違ってきます。たくさんの種類の製品がある中で、いかに『自分に合うもの』を探せるかがポイントとなってきます」。
自分に最も合うレンズを探すコツとしては、「見えやすさとフィット感、汚れやすさを総合的に勘案する」ことが大切となってくる。