十倉佳史胃腸内科クリニック(京都府亀岡市)はこのほど、医療スタッフの一員としてソフトバンクの人型ロボット・Pepperを導入した。
同クリニックでは、診療を待っている間の不安・ストレスの解消や認知症予防、季節ごとの医療情報の提供、健診・予防接種の勧奨などを行う医療スタッフとして、Pepperを採用したいと考えていた。しかし、専門的な開発技術が必要だったことやコスト、情報発信のタイミングといった課題も多く、一時はPepperの医療スタッフ化を断念したという。
そこで、M-SOLUTIONSがPepper の動作設定を簡単に行えるサービス「Smart at robo for Pepper」を開発。同サービスにより、Pepper の医療スタッフ化に関するさまざまな課題を解決できたことから、このサービスの導入を決定した。現在、Pepperは医療スタッフの一員として同クリニックで活躍しているという。
これまで同クリニックでは、医師が内視鏡検査の必要性を説明し、医師と看護師が検査説明を行ってきた。現在は、Pepperがクリニック紹介や診療案内、検査説明を行い、毎日多くの患者が利用している。また、Pepperが呼びかけたり、胸のディスプレイを利用して胃がんや大腸がんなどの注意喚起を行ったりと、予防医療にも貢献しているとのこと。
今後、同クリニックでは「自己診断フローチャートの作成」「満足度のアンケート集計」などのアプリを作成予定。将来的には、Pepperの問いかけによる問診票の作成と電子カルテの連携、認知症の患者を探すサービスとの連携、複数台のPepperが患者1人ずつを受け持ち、全てのPepperを一括管理できるシステムづくりなども検討しているという。