ローランドは、自宅での演奏に最適な静粛性を高めた新開発のペダルを搭載した電子ドラムセット「V-Drums TD-11KQ-PS」と、ペダル単体の「KT-9」「FD-9」を発表した。4月23日より販売を開始する。価格はオープン、市場想定価格はいずれも税込で、「TD-11KQ-PS」が180,000円前後、「KT-9」「FD-9」は18,000円前後となる模様。
「V-Drumsシリーズ」は、静粛性と演奏性を両立するメッシュパッドを備えた電子ドラムで、ホビーはもちろん、プロの現場でも多用されている。生ドラムに比べ圧倒的に静かな上、ヘッドホンでも演奏できるので、自宅で電子ドラムを叩くというプレイヤーは増加傾向にあったが、キックやハイハットのペダルを踏むアクションは演奏時に発生する打撃音や振動が床面を通じて階下にも伝わりやすいため、集合住宅などでは近隣の迷惑になることも少なくなかった。
そこで、自宅で気兼ねなくドラムを叩けるよう、同室内での騒音を85%、階下へ伝わる騒音を63%削減し(同社旧モデル比)、静粛性を大幅に高めたバスドラム用のペダル「KT-9」と、メカノイズを低減したハイハット用のペダル「FD-9」の新開発に着手。これらのペダルを組み込んだ電子ドラムセットを「TD-11KQ-PS」として発表するという運びとなった。現時点での販売は国内のみとのことだが、ペダル単体でも発売するので、手持ちの電子ドラムセットに組み込み、カスタマイズすることもできる。
「KT-9」では、バスドラムを鳴らすビーターによる打撃機構を排除した「リンク構造」を新開発。打撃音をなくすことで、従来のキック・トリガー・ペダル「KD-9」と比べ、同室での騒音を85%削減、階下への騒音も63%削減している。構造としてはビーターを外し、ペダルの踏み込み具合をセンサーで感知するというようになっており、ペダルプレートに取り付けられたリンク部は、延びきったところでペダルプレートが停止させる役割を担い、打撃箇所を排除するのに一役買っている。省スペースのデザインも実現していて、可搬性に優れているので、ステージやスタジオに持ち運びやすく、セッティングの手間も低減できるという。昼間は手持ちのビーター付きのペダルを使い、夜間は「KT-9」に組み替えるなど、環境や状況で使い分けるセカンドペダルとしても最適だ。
「FD-9」も同様に「リンク構造」を採用したことで、踏み込み時に発生するメカノイズを低減している。ペダルを踏み込む音を抑えることで、従来のハイハット・コントロール・ペダル「FD-8」と比べ、同室での騒音を50%削減、階下への騒音も15%削減した。
「KT-9」「FD-9」ともに、両サイドに突き出した羽根状のフットにより、高い安定性を実現。これにより、踏み込みのエネルギーをロスなくセンシングすることが可能となり、演奏者の表現を余すことなく音源に伝達できる。また、ペダル上部にあるつま先ストッパーにより足の位置が定まり、激しいペダルワークでも安心して演奏することができるようになる。
サイズおよび重量は「TD-11KQ-PS」が1,200(W)×1,100(D)×1,250(H)mm/21.7kgで、「KT-9」が139(W)×365(D)×158(H)mm/2.0kg、「FD-9」も139(W)×365(D)×158(H)mm/2.0kg。