メディプラス研究所はこのほど、「ストレスオフ(ストレス指数の低い)都道府県ランキング」を発表した。同調査は東邦大学名誉教授・脳生理学者の有田秀穂氏監修のもと、2月26日~29日にかけて、全国の20~69歳の女性約7万人を対象にインターネットで実施したもの。

女性のストレスオフ県ランキング

同調査は、対象者に「ストレス度」「セロトニン欠乏症度」「ストレス要因」など15問の項目に答えてもらい、厚生労働省の「ストレスチェック制度の健康状態項目」を基に独自加工して点数化したもの。

高ストレス(77点以上の合計)、低ストレス(39点以下)で全国平均を100とし、各県の%表示(指数)を作成した。各県の低ストレス%から高ストレス%の差を出して、数値が高いほどストレスオフ県となる。

測定の結果、2016年で女性のストレス指数が最も低かったのは鳥取県だった。2位は「和歌山県」、3位は「岐阜県」、4位は「愛媛県」、5位は「滋賀県」となっている。

鳥取県の女性は、「ママ友関係」「子どもとの関係」「睡眠時間」など、主なストレス要因54項目のイライラ度を尋ねた同社調査でも、41項目に「当てはまらない」と回答している。全体的にストレスを感じにくい傾向であるようだ。

中でも、社会問題として取り上げられることも多い「ママ友関係」「友人関係」「SNS」などは、他県と比較して対人関係において友好的である傾向にあることがわかった。

鳥取県の女性がとくにイライラしていないことは?

鳥取県の元気づくり総本部広報課の係長である森岡潤一氏は、「"のどか"ということが、のんびりとした県民性にも影響を与えているのではないでしょうか」とコメント。また、身心のリフレッシュに活用できる運動施設なども充実させるよう、県をあげて心がけているという。

同調査を監修した有田氏は、この結果を受け「女性が住みやすい地域の特徴には、"自然環境要因"よりも"社会環境要因"の影響が強いのではないかと考えられる」と語った。鳥取県は社会関係の中でも人間関係をはじめとする職場のストレスが少なく、またストレスを受け流すためのグルーミング行動が十分に備わった地域性であると指摘している。

ここで言うグルーミングとは、親しい関係の家族、仲の良い友人などとのスキンシップ(手をつなぐ、寄り添う、触れ合う、マッサージ、楽しいおしゃべりなど)を指す。「さまざまな県民性が作用していると思われるが、普段の生活の中でストレスがかかるプレッシャーが少ないことも影響しているのではないか」と分析している。

女性のストレスオフ県ランキング2016全体結果