JALは4月6日、1日に生じた「重量管理システム」の不具合に関し、その原因が3月23日に変更されたプログラムの不具合であることを発表した。
「重量管理システム」とは、搭載計画や重量重心計算などのロードコントロール業務を行うシステムのこと。今回、重量管理システムの不具合は1日7時48分頃~9時40分頃まで生じ、羽田便を中心に国内線46便が欠航、約6,670人に影響した。遅延に関しては、国内線で最大155分の遅れ(JL184便: 小松=羽田)と、国際線で最大42分の遅れ(JL814便: 台北=関西)が生じ、折り返し便を含む最大30分以上の遅延は137便、最大約1万7,000人に影響した。
今回の不具合は、3月23日に変更されたアプリケーションプログラムにおいて、システム内に同時に動作している2つのプログラムが互いに処理を待つ状態となり、正常に作動しなくなったことが要因となった。現在、製造元ベンダーであるルフトハンザ ドイツ航空の子会社ルフトハンザシステムとプログラム修正・検証を行っており、検証が完了次第、同システムへの適用を予定している。
今後の対策としては、近日中に今回の不具合の原因となったプログラムを修正するほか、本番システムが停止した際の現場での業務継続能力を高めるため、バックアップとして準備している環境の能力を高める。製造元ベンダーとの情報共有をこれまで以上に密にし、外部専門家の知見も活用しながらシステム検証能力を向上させていくとしている。
なお、JALは2014年6月にも重量管理システムに障害が発生。9時15分頃にシステムが停止し、同日の17時頃に復旧したものの、合計174便の国内線が欠航、約1万4,000人に影響がおよんだ(詳細は「なぜJALでは終日、「重量管理システム」の不具合で欠航・遅延になったのか」を参照)。
同件に対して、プログラムに不要なデータを発生・滞留させてしまう不具合があり、この不具合が蓄積したことでシステムが停止し、不具合のあったデータを削除することで復旧させた。その後、同様の不具合が発生しないよう、対策がなされている。