AACクリニック銀座はこのほど、「女性活躍とホルモンに関する調査」の結果を発表した。同調査は2016年2月、20~60代のフルタイムで働く男女を対象にインターネットで実施したもの。
女性の仕事パフォーマンスや意欲をさらに向上させるには、どのようなことが必要だと思うか尋ねたところ、各項目に対し、男性よりも女性の方が強く望む傾向にあることがわかった。
特に「妊娠・出産・育児に対する家族の理解・協力」「妊娠・出産・育児に対する職場の理解・職場環境の充実」といった項目は、女性の8割以上が家族にも職場にも理解を求めている。また、女性ならではの体調(更年期・生理痛)を家族や職場に理解してほしいという声も8割近くにのぼった。
そこで女性を対象に、更年期は女性のキャリアアップに悪影響を与えると思うか聞くと、65.8%が「影響する」と回答。年代別に見ると、40代(71.2%)が一番高く、ついで30代、20代(ともに67.5%)と続く。若い世代も決して軽視しておらず、女性全体が課題として捉えているようだ。
更年期症状としては、ホットフラッシュ、発汗、ほてり、不眠(睡眠の質が悪くなる)、気分の波(涙もろい、イライラ)、抑うつ、不定愁訴、間接の痛み、耳鳴り、めまいなどが挙げられる。個人差もあるが、ストレス要因(家庭、職場など)により、症状が強く出ることがあるという。また、性格にも影響するところがあり、おおらかで大おおざっぱなタイプより、神経質なタイプのほうが、症状を気にしやすい傾向があるとのこと。
40~60代女性に対し、どのような体調の悩みを持つのか尋ねると、「眼が疲れる」 「肩や首がこる」「ものごとが覚えにくかったり物忘れが多い」などが上位を占めた。更年期症状では体のほてりなどが有名だが、「眼が疲れる」なども症状の一部であるという。
続いて同年代の女性に、更年期障害が仕事へ影響したか尋ねたところ「あった」と回答した人は15.0%。「イライラしたり体調不良などで仕事のパフォーマンスが低下した」「イライラして部下や家族に当たってしまった」という声のほか、仕事を辞めたという声も寄せられている。
最後に男性に対して、更年期は女性だけでなく男性にもみられる症状だということを知っていたか尋ねたところ、48.0%が「知らなかった」と回答。男性の場合は、男性ホルモン減少により引き起こされ、症状としてはイライラや不安感をおぼえたり、不眠、性欲の減退などもあるという。
AACクリニック銀座の浜中聡子院長は、更年期症状を和らげる方法として、食卓にレインボーカラーの野菜や果物を毎日取り入れ、健康維持に役立てることを提案。軽い症状であればサプリメントなどを活用することもよいという。
しかし、あまりにつらい症状の場合は、ホルモン補充をはじめとする治療を受けることをすすめている。「若い頃の無理によって早発閉経になり、更年期症状が早く現れてしまうこともありますので、若い方は今から自身の体に注意が必要です」。
また、更年期症状は、男性の多い職場などではなかなか言い出せないこともある。浜中院長は「誰にも言えず理解されていないことはストレスになります。悩んだときは誰かに打ち明けて。周囲に話し、理解してもらうことがストレスの軽減につながります」とコメントしている。