テレビ朝日系の紀行ミニ番組『世界の車窓から』(毎週月~金曜23:10~23:15)が、29日で放送1万回を迎えることになり、初回からナレーションを担当する石丸謙二郎が感謝の思いを語った。
世界各地の鉄道の窓から見える景色をはじめ、さまざまな情景を音楽に乗せて映し出す同番組は、1987年6月1日にスタート。取材した列車の走行距離は地球19周分にもなるという。現在放送中の日本の番組で1万回を達成するのは、同局『徹子の部屋』(昨年5月27日に達成)に次いで2例目の快挙だ。
初回から1回も休まずにナレーションを担当する石丸は「生まれてから自分の名前『石丸謙二郎』をおそらく1万回も言ってないと思うんです。それを考えると、タイトル『世界の車窓から』を1万回読んでいるとなると、1万回の量を感じました」と感慨深げ。約30年という担当年月は、石丸の人生の約半分にあたり、「役者としての黎明(れいめい)期から始めているから、ナレーションだけでなく役者としても育ててくれた番組です」と感謝を語る。
1万回の中から印象に残っているのは、アフリカ・タンザニアにある"列車の墓場"。アフリカの原野にある、使用されなくなった列車を落としていく場所だそうで、「それを見るためだけに、そこに行ってみたいですね」と、やはりモニターの"車窓"の先にある光景を、リアルで体験したいようだ。
1,000回を達成した頃、石丸が冗談で「これにあと0がもう1個つくとすごいね」と言うと、当時はあまりに非現実的な数字と考えられ、スタッフから笑いが起こったそうだが、それがいよいよ現実に。しかし、石丸は「おそらく、スタッフとも『10,000回ですね』『ああ、0いっぱいだね』ぐらいで終わるんじゃないかな」と、あくまで"通過駅"としてとらえる会話を想像していた。
番組の将来については「僕が辞めちゃっても…年をとったら誰かにやってもらいたいなと思う気持ちはありますよ。『世界の車窓から』がすてきな番組として、みんなに見てもらいたいっていう気持ちはずっと持ってますからね」と後継者に譲りたい意向。一方で、「一応、僕ね97(歳)までは生きることにしてるんですけどね(笑)」と生涯現役の意気込みも示している。
1万回目の放送は、インド北西部・ラジャスタン州の古都ジョードプルを出発。朝焼けを横目に、300キロ西のオアシス都市・ジャイサルメールまで、広大なタール砂漠を走る旅がスタートする。