日立製作所はこのほど、英国で鉄道システム事業を行う同社子会社の日立レールヨーロッパが、英国の鉄道事業者ファーストグループ社とその子会社であるファースト・トランスペナイン・エクスプレスとの間で、標準型都市間車両「AT-300」95両(19編成)の納入と保守に関する正式契約を締結したと発表した。

納入する標準型都市間車両「AT-300」のイメージ

今回納入される「AT-300」は、日立が2012年に受注した英国運輸省の都市間高速鉄道計画向けに設計された「Class800」シリーズをベースに、急勾配への対応としてエンジンの出力を向上させ、大型の燃料タンクとブレーキ抵抗器を装備した車両。モダンな内装とゆとりのあるシート、高速Wi-fiサービスの提供など、車内の快適性も追求されている。

納入する19編成のうち、最初の数編成は日立製作所の笠戸事業所(山口県下松市)で製造し、残りの編成は英国にある日立レールヨーロッパの鉄道車両工場で製造する計画となっている。納入時期は2018年春の予定で、路線への導入は2019年12月となる見込み。今回の受注により、日立グループが英国に納入した「AT-300」の車両数は、すでに受注している分と合わせて合計1,308両になる。