中部国際空港は3月31日、LCC(低コスト航空会社)向けの新ターミナルビルを2019年度上期までの供用を目指して整備することを発表。また、2015年6月に寄贈されたボーイング787ドリームライナー飛行試験機(ZA001号機)の屋内展示を核とした、飲食・物販店等を展開する複合商業施設を2017年度下期を目標に供給する。

LCC(低コスト航空会社)向けの新ターミナルビル予定地

新ターミナルビルは近年のLCCを始めとした新規就航・増便を受けたもので、現在の空港島南側の臨時駐車場エリアに建設する。同空港は2020年3月期の年間旅客数目標を2015年3月期比1.5倍に当たる1,500万人と定めている。現在、着工時期や建設費、施設規模などは定まっていないが、2016年度は新ターミナルビルの整備規模、平面計画等の施設検討に着手する。

同空港には現在、国内LCCはジェットスター・ジャパンが運航しており、国内線は札幌/福岡/鹿児島/那覇の4路線、国際線は台北とマニラの2路線を展開。2016年夏には同空港を拠点にして、エアアジア・ジャパンが国内線の札幌/仙台と国際線の台北就航を目指している。また海外LCCでは、春秋航空やセブパシフィック航空、チェジュ航空、タイガーエア台湾、Vエア、香港エクスプレスなどが運航している。

今夏には中部国際空港を拠点としたエアアジア・ジャパンが就航する

さらに、2017年度下期に供給開始を目指し、2015年6月に"里帰り"を果たしたボーイング787ドリームライナー飛行試験機(ZA001号機)の屋内展示を核とした、新たな複合商業施設を整備する。展示エリアでは歴史的価値のある同機体を屋内展示するとともに、教育的コンテンツも併設する。若年層の航空への興味を喚起し、次世代を担う人材育成に資する等、地域への貢献の役割も担うという。

ボーイング787の機体の35%は中部地域で製造されているため、ボーイングより寄贈されたZA001号機は"里帰り"と称されている

複合商業施設のイメージ

施設は南側立体駐車場近接地に建設する

商業エリアでは、シアトルを中心としたアメリカの雰囲気を演出するとともに魅力的な飲食・物販店舗の展開を検討。建設は中部国際空港が主体となり、同空港の南側立体駐車場近接地に建設する。