海外の出産事情を聞いてみた

出産は人生の大仕事! 特に初めての時は、分からないことだらけで不安がいっぱいです。そんな時に頼りになって安心もできる場所は、やはり実家ですよね。そのため、いわゆる"里帰り出産"をする人は多いでしょう。これは日本の「出産時の文化」と言えるかもしれません。それでは、海外の妊婦さんたちはどのように出産を迎えるのでしょうか。国によって違いがあるのか、日本在住の外国人20人に聞いてみました。

どちらかといえば"里帰り"が多い

・「ポーランドでも里帰りします。もし帰ることができなかったら、妻の母親が約1カ月助けに来ます」(ポーランド/30代前半/女性)

・「香港にもあります。しかし、実家が近い場合、お母さんが面倒を見に来ることもあります」(香港/20代後半/女性)

両親が来てくれることが多い

・「ベトナムでは里帰り出産はあまりないですが、妊娠から出産まで旦那さんの母親かお嫁さんの実母が来てくれることが多いです。孫の世話を見てくれることが一般的です」(ベトナム/30代前半/女性)

・「里帰り出産は聞いたことがありません。妊娠時より母親がお手伝いに来ます(奥さんの母親の方が多い)」(ブラジル/40代前半/女性)

・「里帰りも、親や兄弟が嫁を手伝いに家に来ることもあります。後者の方が一般的だと思います」(フィリピン/30代半ば/女性)

・「里帰りする人もいますが、妻の家族が出産や産後のお手伝いをしに妻の住居へ行くというパターンが多いです」(トルコ/40代前半/男性)

・「人によって違いますが、基本的に妊婦さんが里帰りするよりは妊婦さんを支えるために地元から両親が来る場合が多いです」(ロシア/20代後半/男性)

帰らない/自力で準備が多い

・「ありません」(バングラデシュ/20代半ば/男性)

・「現在はない」(インドネシア/20代後半/男性)

・「聞いたことがない。一般的に妊娠後も会社で働いて、出産前の半月前に産休に入る」(中国/20代半ば/男性)

・「この場合、文化というより支援が必要ですので、妊婦は実家に戻るか嫁側の両親に日々来てもらうケースがあります。しかし、大半は旦那さんやパートナーと自力で準備し、産婦人科病院で出産することが主流です」(オーストラリア/30代後半/男性)

場合による

・「ウクライナには里帰り出産という文化はありません。女性の希望次第です」(ウクライナ/20代半ば/女性)

・「する人もいると思いますが、文化ではないですね。病院ではなく家で出産する人もいます」(カナダ/30代前半/女性)

・「特に決まりはないですが、里帰りか、両親が家に泊まりに来るかです。あとは出産後1カ月くらいの出産後休みがあります」(マレーシア/30代半ば/女性)

・「家庭が不安なら(シングルマザーや金欠など)、里帰りして両親に助けてもらうことはあると思います」(イタリア/30代前半/男性)

もともと一緒/近くに住んでいることが多い

・「国が小さいので、里帰りと言っても車で30分以内くらいで移動できます。また、もともとどちらかの親と一緒に暮らしている夫婦も少なくないです」(シンガポール/20代後半/男性)

・「働くために移転する女性はいないため、日本のようなケースは少ないと思います。あれば、出産するため地元に戻るはずと思います」(エジプト/20代半ば/男性)

「出産ケアセンターに入る」という国も

・「台湾も里帰り出産はあります。現在は、多くの方が出産ケアセンターで1カ月療養します」(台湾/40代後半/女性)

・「里帰り出産もありますし、夫の実家で面倒を見てくれることもあります。最近は産後のケアができる施設に入って2週間~2カ月ほど過ごす人が多いです」(韓国/30代前半/女性)

総評

海外であっても、女性が出産や乳児の扱いに不安を覚えることは同じはず。しかし、里帰り出産が"文化"と言えるほどに定着している国はあまりないようです。「母親がしばらく自分の家に滞在してお手伝いしてくれる」ことが多いようですが、もしかしたら海外の家は日本よりも広いことが関係しているかもしれません。また、台湾や韓国のように、産後のための施設がつくられている国もあるようで、世界の出産環境は少しずつ変化してきているようです。

出産はその国・地域の中でも違いがあるものなので、今回のコメントがそのまま国・地域全体の風習・文化とは言いにくいかと思われますが、それでも、一番身近な先輩はお母さんというのは、どの国でも共通で言えることではないでしょうか。

調査時期: 2016年2月15日~2016年3月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート

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